高校不登校の原因は小・中の落ちこぼれ教育にあり







「かみつくⅢ 」の目次
目次

維新の会が沖縄の政治を変革する  又吉康隆

生徒に一番必要なのは学力だ  三
大坂維新の会と沖縄の政党そうぞうが協定を結ぶ 一一
維新の会が沖縄の政治を変革する  一三

橋下市長と慰安婦問題  二八

関西ネットワークの大嘘はまる隠しされた  四九

ブログ・狼魔人日記  江崎孝

稲嶺名護市長、選挙違反で告発さる  七九
浦添市長選「無党派」松本哲治氏(四十五)初当選 八五

ブログ・光と影  古代ヒロシ

那覇から普天間に民間空港を移転できないか?  八八

じんじんのブログ  じんじん

米統治により、
沖縄は近代化されたことを忘れてはダメ   九三
                        
ブログ・沖縄に内なる民主主義はあるか
                     又吉康隆

二年連続教え子へのわいせつ行為ができる島・沖縄 九五


短編小説  又吉康隆
港町のスナックはてんやわんや  九九


「かみつくⅢ」は、
狼魔人日記でネット先行販売しています。
書店販売はもう少し待ってください。
申し込みはメールでできます。


ブログ 狼魔人日記
メール ezaki0222@ybb.ne.jp
みなさんの意見・感想は
ヒジャイ掲示板へ

ヒジャイ掲示板


高校不登校の原因は小・中の落ちこぼれ教育にあり



 二〇一一年度の県内高校の不登校者数が一三八二人に上り。不登校率が全国平均一・六八%に比べてほぼ倍の三・〇〇%だったと県教育庁は発表した。不登校者数は〇六年度の一〇四八人から五年連続増加した。県教育庁は「早急に改善が求められる状況だ」として、不登校者減少を目指し、取組みをさらに強化する方針だという。
 不登校のきっかけは遊びや非行型、無気力、情緒不安定など「本人起因」が七三・一%と最も多いという。
県教育庁は遊びや非行型、無気力、情緒不安定の原因について追及していないが、それらの原因に落ちこぼれが大きく占める。

 糸満で学習塾をやっていた時、「アシバー」と言われている不良中学二年生の女子三人が塾に入ってきた。三人の中の一人は小学生の時は成績が良かったのでぐんぐん成績が良くなった。彼女の影響で他の二人も頑張り成績がよくなった。三人の成績が良くなったことは学校でも噂になったくらいである。その噂が広まったので「アシバー」女子中学生が次々と入ってきた。そして、中学一年生で金髪に染めた生徒も塾に入りたいとやってきた。三十五年前のことである。あの頃は金髪に染めている生徒を見たことがなかった。
私は中学一年のクラスを担当していなかった。私は生徒が金髪であろうが不良であろうが平気だったが、他の講師は「不良」を怖がった。さすがの私も彼女を入塾させるかどうか迷った。私は金髪を止めて黒髪にするのなら入塾を許すと言った。その生徒は黒髪にすることはできないといったので私は入塾させなかった。

 考えてほしい、三十五年前に金髪に染めている不良少女さえも成績を上げたい気持ちはあったことを。成績の悪い生徒が成績を上げるのには苦痛がともなう。苦痛に耐えながら勉強してもなかなか成績が上がらないのが現実だ。「アシバー」たちは成績に興味がないわけではない。成績を上げることができないのだ。成績が上がれば多くの「アシバー」が真面目になる。

 学習塾をやって痛切に感じたのはほとんどの生徒が成績はよくなりたいと思っていることだ。しかし、勉強は苦痛であるし苦痛に耐えられないで成績を上げることができない生徒は多い。金髪の少女は私の塾に通えば楽に成績が上がると思って入塾しようとしたのだろう。彼女の成績は上がったかも知れない。しかし、上がらなかったかも知れない。
 学習塾に入っても成績の上がらない生徒はいる。それは低学年で落ちこぼれた生徒だ。一桁の足し算がすらすらとできない中学生、掛け九九を即答できない中学生、漢字がほとんど読めない生徒の成績を上げるのは学習塾では困難だ。基礎力を個人指導で教えない限り成績をあげるのは困難だが学習塾で個人指導する時間は少ない。

 現在の公教育のシステムでは一度落ちこぼれてしまうと這い上がることが困難である。落ちこぼれた生徒が自力で這い上がるのも非常に困難である。這い上がることができた生徒は非常にがんばり屋で頭がいいからだ。普通の頭なら不可能だ。
高校生の不登校の原因の多くは落ちこぼれである。高校の落ちこぼれの原因は中学の時の落ちこぼれが原因である。中学の落ちこぼれの原因は小学の落ちこぼれが原因である。

 フィンランドが学力世界一だということで沖縄でも話題になった。フィンランドの教育法を勉強するために沖縄の政治家や識者がフィンランドに行った。私も興味を持ちフィンランド関係の新聞やテレビ番組を見、WEBでフィンランドの教育法を調べた。

一、テレビで小学一年生の授業を放映していた。実習生が七,八人の生徒を教えていたが、グループの端に座っている生徒が先生に教え てほしいと手を挙げた。しかし、実習生は他の生徒を教えるのに手いっぱいで、手を挙げた生徒を教えることができなかった。
 授業の反省会で、手を挙げた生徒は教えてくれなかったことで実習生を非難した。実習生は自信喪失をしていた。一人一人の教育を大 事にするフィンランドの教育は教師に高い教育指導力を要求していることを知った。
二、フィンランドの教育は高校を卒業した時に一人前の社会人として生きていけるのを目標にしているという。学力世界一だから大学進 学を目標にしていると思っていたので意外に思ったが、学習塾時代のことを思い出し、フィンランドの教育方針に納得した。そして、 高校を卒業した時に一人前の社会人として生きていけるのを目標した教育方針が沖縄に一番必要だと思った。
  大学進学を目標にすると優秀な生徒のほうを重視する。そして、有名高校進学に注目するようになり、東大や早稲田など本土の有名 大学に何人合格したかが話題になる。それでは一部の優秀な生徒が重視され、落ちこぼれ問題は無視される。
  高校卒業した時に一人前の社会人になることを教育目標にすると、落ちこぼれを出さないことを重視する。沖縄の学力が最下位であ ることも高校生の不登校が多いことも落ちこぼれに問題がある。落ちこぼれを出さない教育方針になれば学力最下位脱出し、高校生の 不登校も激減するだろう。
三、フィンランドでは落ちこぼれ対策は小学一年から実施している。落ちこぼれ生徒は普通の授業を受けながら落ちこぼれ専門の教師が 早朝や放課後を利用して教える。
 落ちこぼれ生徒だけを集めて教えるのはだめだ。最初に思いつくのは落ちこぼれを集めて基礎からじっくりと教えたほうが効果がある ように思えるがその方法はイギリスで失敗している。落ちこぼれを普通の成績に上げるには教える時間を長くする方法が一番いい。ス ポーツでは練習量が多ければ多いほど成長する。スポーツ大会の上位チームは練習量が豊富だ。効率のいい練習と練習時間の長さが強 豪チームをつくる。学力も同じだ。効率のいい勉強と勉強時間の長さが学力を向上させる。落ちこぼれ生徒の学力を上げるには勉強時 間を長くするしかない。
 子どもの集中時間は短いから長い時間勉強させても効果がないというのは嘘だ。私は学習塾を辞めてから、ひとつだけ気になることがあった。落ちこぼれの生徒を勉強させるのにプリントは必要ないのではないかということだった。知人の中学生に落ちこぼれの生徒がいたので私から頼んで生徒の家庭教師になった。私がやったのは全ての教科書の漢字が読めること。国語はすらすらと朗読ができること。数学はプリント問題をさせるのではなく、教科書の問題を解かせた。同じ問題を繰り返しやらせた。ただクリカエスのではなく、解く時間を早くするように要求した。英語は読めて文章を訳することに徹した。文法は教えなかった。
 学校の授業では黒板の字を書き写す時はできるだけ多く覚えてからノートに書き写すように指導した。教師の話は意味が分からなくてもいいから暗唱するように指導した。それは暗記訓練と授業への集中度高めるのが目的だった。勉強は基礎をじっくりとやるから三、四時間の長い勉強時間だった。
 数か月で生徒の成績は一気に上昇し、普通の成績になった。成績がよくなると欲が出てくる。プリントを使わない私の教え方に疑問も出てきて、彼は私の家庭教師を断わって学習塾に通った。十五年間学習塾をやった結果考え出した私の学習指導法だったが、逆にプリントを使わない学習指導は古い教え方だと本人は思ったのだろう。学習塾に通った彼は学力は伸びなかっただろう。私としては高校受験まで教えて高校でも普通以上の成績にしたかったのだが、私の教えから離れた彼は残念ながら高校では落ちこぼれ生徒になってしまった。
 小学六年生にも私から頼んで半年間同じ学習指導をやったことがある。普通より少し下の成績だった。成績は上がり、欲が出た生徒は学習塾に通うようになった。一年後に母親に英語を教えてくれと頼まれた。小学生の時に私が教えた国語と数学の成績はいいが英語はよくないからだという。

 母親の話を聞いて私の想定は確信に変わった。私の学習指導の目的は本当の実力をつけることだった。私が教えなくなっても成績は落ちないのを目的にした学習指導法だったのだ。私の想定通りその生徒は国語と算数の実力をつけていた。
コンビニエンスを経営していた私は忙しいので家庭教師になるのを断った。
 私の学習指導法は単なる復習のように思えるから大した効果はないと生徒本人も母親も思っただろう。だから、私が教えて成績が上がったから学習塾に通えばもっと成績が上がると考えたのはとうぜんである。しかし、学習塾に通っても私が教えたほどの効果はなかった。
プリント問題をやらせて解答をするのが効果的であると多くの親や教師は思っているがそうではない。教材は教科書だけでいい。オーソドックスな学習のほうが本当の実力がつく。


 一,二,三が沖縄の教育がフィンランド教育に学ぶべきものであると私は思っている。
小学一年生から落ちこぼれを出さない。中学を卒業するときはすべての生徒が高校の授業についていけるようにする。この教育方針が沖縄の教育にもっとも必要である。落ちこぼれをなくすということは学力の底上げになるから全国学力テストの平均はぐーんと上がる。
全国学力テスト最下位からの脱出もまずは落ちこぼれ生徒をなくすことにある。

 国語・理科・社会で落ちこぼれをなくす方法は教科書の漢字を全て読めるようにすることである。
 文章の読解力、小説や詩の内容を理解することが国語の基礎力と考えている人は多いと思う。それは違う。子供は漢字が読めなくても年相応に考える力、想像力は成長していく。中学三年生が小学一年生の漢字しか読めないからといって彼の考える能力、想像力も小学一年生と同じではない。中学三年生は中学三年生の考える能力、想像力がある。漢字が読めないから文章の内容が理解できないだけのことだ。漢字がすらすら読めるようになれば文章読解力は自然に高くなる。
 空という漢字を読めないから空を知らないわけではない。海という漢字を読めないから海を知らないわけではない。空を読めるようになれば空という字が頭上に広がる実際の空と繋がるだけだ。漢字が読めるということはその人の観念と文章が繋がり、文章を読みながら想像することができるということだ。漢字が読めなければその人の観念と文章が繋がらないで文章と想像が断絶されるということだ。
読解力を高める、想像力を豊かにする以前に漢字を読めるようにすることが重要なのだ。
 国語、理科、社会の場合は漢字の読みが九〇点未満なら落ちこぼれにしたほうがいいと思う。新しい章に入るごとに全ての漢字の読みがなをテストをして、不合格者は放課後再テストをする。それを小学一年から中学三年まで徹底してやるのだ。読みがなテストを徹底してやれば学力テストも飛躍的に伸びるだろう。

 落ちこぼれ生徒の授業の仕方

 五つの熟語を黒板に書く。生徒は漢字をノートに写す。黒板の熟語に読みがなを書き、生徒に声を出させて読ませる。読みがなを覚える時間を与える。黒板の読みがなを消す。ひとつひとつ熟語の読みを言わせる。テストをする。熟語の読みを覚えたという生徒だけをテストする。まず、読ませる。読みで失敗したら失格。全て読めたらノートに書いた漢字に読みがなを書かす。全部正解で合格。

 テストの第一の目的は漢字を覚えさせることではない。集中力と暗記力を高めることである。集中力と暗記力がつけば漢字を覚えるのが早くなる。文章を読む能力も高くなる。
この授業は成績が良い悪いに関係なく全員が集中する。そして、暗記力が高める。

 読みがなテストと落ちこぼれ対策授業をやれば中学三年生になった時、ほとんどの生徒が九〇%以上の漢字力がついているだろう。
全国学力テストも中間くらいになるはずだ。

 沖縄にとってオスプレイや辺野古移設問題よりも重要なのは学力問題だ。オスプレイや辺野古移設問題は日米間の国家問題であり、アジア全体の政治・軍事問題である。沖縄県規模の小さな問題ではない。沖縄県の政治力で左右できるような問題ではない。
しかし、学力問題は県内問題であり、沖縄の将来とも関係している。県や市町村の方針で大きく左右する。学力向上は県や市町村の采配にかかっている。沖縄の政治家が真剣に教育問題を追及していないから全国最下位なのだ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )