Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

残り8試合のタイミングで

2017-09-29 00:14:47 | トリニータ
どうしても記事が書きたいと思っていた。


今季はちょくちょく2014シーズンに似ていると思ったことが多かった。長く連勝を伸ばすこともなければ、ガクッと調子を落とすこともなく、ずっとそこそこの順位を守り続け最後までプレーオフ争いを続けた2014シーズンにとても似ていると思ってきた。ただ記憶とは曖昧なもので、2014シーズンの節別順位表を見返してみると、今季よりもPO圏内にいた時間は遥かに長かった。そんな2014シーズンのことを思い出すことがちょくちょくあったので、この残り8試合のタイミングで記事を書きたいと思った。2014シーズンの残り8試合、つまり第35節はホーム磐田戦で、当時サプライズ枠で降格してきた磐田がシャムスカから名波に監督を代えてすぐの時だった。あの時のチームはこの試合を機にガラッとチームのスタイルを変え、インテンシティの高いサッカーで勝っても負けても観てる側からすると納得感のあるサッカーを展開した。実際にとてもいいサッカーをしてたと思うし、わずかな差でPO進出を逃すわけだけど、スッとシーズン終了を受け入れられるくらいに納得感はあった。


そして今季のチームもその残り8試合のタイミングを今週末に迎える。いまの片野坂さんはここからサッカーを変えることはまずないだろうけど、もし本気で昇格を摑み取りにいくのなら、何かは変えなくてはいけないと思う。つまり今のままなら昇格は厳しいと思ってる。何かを変える、それはズバリ選手たち自身にあると思ってる。今季のチームはとてもいいチームだと思うし、さっきの言葉を使うなら納得感のあるチームだと言える。今のところ、結果の部分でも十分によくやってると思う。でも前節に代表されるように物足りないと感じて終わる試合が少なからずある、いやもしかするとけっこう多いかもしれない。それって何なのかなと考えた時に思うのは、同じく前節に代表されるように伊佐の存在感が際立ってることに象徴されてるんじゃないかなと思う。


今季は試合後のインタビューでもその試合の狙いや戦術遂行がどうだったかについて語る選手が多い印象。別にそれ自体が悪いことだとは思わないけど、どうもそこに意識が集中してしまっているように見えてしまう。様子見の時間帯が長く感じるのも、あまりにもチームとしての狙いに固執し過ぎてしまっているからじゃないだろうか。もちろん戦術は大事だし、勝敗に及ぼす影響は大きい。さらに相手の戦術を予想したり、相手の戦術の裏をかいたりという駆け引きもたまらなく楽しいと思う。でも、戦術はサッカーのゲームの中で一つの要素でしかないというのも事実。時に戦術をも超越したプレーを見せる選手がいるからサッカーは奥深くて楽しいんだ。


長崎戦、金沢戦と残り8試合というタイミングでそんな今季を象徴するような試合が2試合続いたのは偶然だけじゃないかもしれないと思い始めてる。ボールタッチのミスとか、パスミス1本で頭を抱えたりとオーバーアクション気味の片野坂さんだけど、最低限の決まりごとさえ守れば、思い切って局面をぶち破ろうとしてミスをした選手を非難するような監督ではないはずだ。だから残り8試合は選手に期待する。これだけたくさんのチームが昇格を狙っていて、その狭き門をくぐり抜けるにはもう「普通」ではダメなんだ。その狭き門をぶち破るために選手たちがどう変わるか、残りの試合はそこに注目して見ていきたいと思う。



その残り8試合の初戦はアウェイ岡山戦。先週の瀬戸大橋ダービーを観た。岡山は讃岐に負けたわけだけど、負けたのは仕方ないにしても、負け方が最悪に近い負け方でショックは残ったと思う。我が軍と同様に低い位置から繋いでいくサッカーを志向してるようだけど、80分過ぎてから自陣で引っ掛けられてGKをあざ笑うかのようなループで決勝ゴールを決められるなんて負け方は心がポッキリと折れてしまっても理解出来るくらいショッキングな敗戦だ。その上、順位表上でも6位まで勝ち点6差と、昨季POファイナルまで進んだクラブからすると追い込まれた感はかなり強いと思う。今週末我々にもし敗戦するとすると、残り試合数を考えても昇格争いからは脱落と言っていいと思う。ちなみに岡山はラスト4が湘南、名古屋、横C、福岡と地獄のような日程。やっぱりかなり追い込まれてる。


負け方はショッキングなものだけど、サッカーはけっこういいなと感じた。繋ぐサッカーを志向しているけど、一番恐い攻撃パターンは最前線の赤嶺の頭からのこぼれ球を2シャドーが拾うという形で、何とも皮肉なもんだなと思ったよ。それといつの間にかいた外国籍選手のオルシーニも出場時間はわずかながらもちょっと手を焼きそうだなという感じはあった。つまり赤嶺やオルシーニを単純に使われる方が嫌だなという印象。追い込まれた岡山がホームでどんな戦術を採用してくるかが、この試合の大きな分かれ目になりそう。


それと今週末は今季ここまで全試合出場で最長の出場時間だった最終ラインの喜山が累積で出場停止。「これはデカい!」と一瞬は思ったんだけど、すぐに本当にそうだろうかと思い直した。だってほんの数日前の金沢戦でも同じようにそれまで全試合出場だった最終ラインの石田崚真が出場停止だったのに、そこに思い切って手を入れられたら、大してつけ込むことも出来なかったばかりだからね。ピンチをチャンスと切り替えて、思い切られたら、むしろデメリットにすらなり得るよ。ま、でも喜山だからね、やっぱり不在は普通にデカいよ。


個人的にはかつて所属した選手にゴールを決められることを一律で「恩返し弾」と呼ぶことに違和感を感じるので、ほとんど使わないんだけど、今季それに当てはまるのは清武三男、河原、福元、裕大、雅人の5人かな。冒頭に書いた2014シーズンの残り8試合で、インテンシティの高いサッカーに切り替わって一番割を食ったのは、伊藤大介だったと思ってる。それまではずっとレギュラーとして君臨してたわけだけど、チームがサッカーの強度を上げていくにしたがい、ジョンヒョンにポジションを奪われる形で出場時間が激減した。そのシーズンオフに最後の最後まで引っ張った挙げ句に、わずか1年で大分を出ていったのは、そういったサッカーには自分のスタイルは合わないと判断したからだろうと思っている。そして岡山に移籍した伊藤大介は、今季はケガでしばらく戦列を離れたものの、ほぼほぼレギュラーとして3年間稼働し続けている。「恩返し」なんて気は選手にはサラサラないだろうけど、気をつけようね。


ちなみに2014シーズンの残り8試合は、個人的にはとても好きなサッカーで、素晴らしかったと思ってたんだけど、結局4勝4敗と数字としてはそこそこでしかなく、最後は勝ち点わずかに2足らずにPOを逃すこととなった。でもその中には、千葉の森本とか、水戸の田中雄大とか、ちょっと信じられないレベルのゴラッソで勝ち点を失ってたから、力関係からしたら、2014シーズンはPOには出てもいいチームだったと思うんだよね。昇格出来たかどうかは別として。ついこの間開幕したと思ってたら、いつの間にか残り8試合。充実したシーズンは過ぎるのが早い。繰り返しになるけど、もう一つステージを上げて悔いなくこのシーズンを終えるためには、「ぶち破る」選手がたくさん出てきてくれることを期待してる。膠着した試合展開をぶち破る選手、対面の相手をぶち破る選手、自分の殻をぶち破る選手、ネットをぶち破るくらい強烈なシュートを放つ選手。

さあ、まずは岡山をぶち破ろう!
コメント
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