Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

芝ニモマケズ、風ニモマケズ、鶴ニモカテズ(13節盛岡戦)

2016-06-19 23:35:44 | マッチレポート16'

行ってきました盛岡。4連勝を掴みに。結果はご存知の通りですが、4連勝出来てれば4年ぶりだったのかな?



初対戦クラブ6連戦の4戦目となったグルージャ盛岡戦。


グルージャ盛岡との初コンタクトといえば、個人的には宇都宮さんの「股旅フットボール」。地域リーグのクラブばかりを取り上げてるこの本の一番最初のチャプターがグルージャ盛岡だった。読んだのももう7〜8年前だったと思うので、行きの車の中でもう一度読み返してみた。本文は「あー、こんな感じだったかなぁ」くらいの印象だったけど、当時と同様、一番最後に宇都宮さんが付記してる部分が一番引っかかった。お読みになった人もいるかと思いますが、地域決勝で敗退した後に経営陣の放漫経営が発覚して、当時象徴的な存在だった武藤真一(トリニータにも在籍した)監督を解任、同県ライバルのガンジュ岩手に移られてしまうというもの。当時も思ったけど、これを読んでの印象は「グルージャ終わったな」に尽きる。いま読み返してもよくここから甦ってきたよなと思う。現状での集客も藤枝とどっこいどっこいといったところだけど、今日初めて行ったスタジアムでは、じわじわとクラブとしての総合力を蓄えてる時期なのかなという印象だった。



そのグルージャ盛岡のホームスタジアムであるいわぎんスタジアムは形状が特徴的。メインスタンドを挟んで両側にピッチがあるという構造。この写真はメインスタンドの一番上から撮ったものだけど、試合をやったのは向かって右側。ちなみにグルージャ盛岡のエンブレムは南部藩の家紋をモチーフとした向い鶴。この向い鶴は左右対称なんだけど、スタジアムが左右対称なのもそれと関係あるのかな。


アルウィンの飛行機も迫力があっていいけど、新幹線が見えるスタジアムも素敵。新幹線が見えるのはここだけかな?



さて、試合。

アウェイとはいえ、最下位相手にドローはよくやった結果とは言いづらいものがある。実際に勝てば、暫定ながらも首位に立てるチャンスだったわけで、納得していい結果だとは言えない。ただ少し冷静に考えてみると、「最下位との対戦」という意味合いを今までとは少し違う角度でみなければいけないんじゃないかなと思う。それは現在のJ3に降格がないということ。今まで我々が戦ってきたJ1やJ2ではシーズンの3分の1が終わって、1勝しか出来ていなければ、降格が現実味を帯びてきて周囲がどうしてもピリピリとしてくる。その結果、チームが目指していた方向にブレが出始め、クラブ全体がガタガタになるのを自らの体験も含めて、多く見てきた。ただ今日の盛岡のスタジアムを包む空気にはそんな過剰な緊張感は微塵もなく、のびのびとサッカーをしているという印象だった。神川監督のピッチサイドからの声出しも「いいぞ、自信持ってやり続けろ!」みたいなメンタルに訴えかけるものが多かったし、言い方は悪いが「勝ち点は二の次」という感じだった。試合内容も、カウンター1発に沈んだわけでもなく、セットプレーからやられたわけでもなく、全体的に押されていた印象が強かった。これだけ勝ち点が取れていないチームにだ。つまり、盛岡はデータから見るに、攻撃はしっかりと組織として構築してきたけど、守備には手付かずという状態なんじゃないだろうか。だから攻撃面がクローズアップされる試合展開なら強さを発揮する。降格があるリーグなら、そんなロマンチックなチーム作りが許されるはずはなく、夢物語は一夜の夢ですぐに現実へと引き戻される。1,500km以上離れた遠いアウェイであること、風が強くサッカー自体が難しかったことを考え合わせると、盛岡の展開にハマりながらも、逆転までは許さなかったこの勝ち点1は評価していいんじゃないかと思う。

ただし、盛岡から多くのクラブが勝ち点を取ってることは紛れもない事実で、優勝を目指すクラブがのん気なことを言ってる場合じゃないというのも、その通り。だからこそこの勝ち点をホームで活かせばいいじゃない。初対戦クラブシリーズ残り2戦で勝てばいい。






2試合連続ゴールとなった伊佐。泥臭さの極みのようなゴールで素晴らしかった。今日も敵陣での制空権は完全に伊佐のモノであり、その「フライング・アンチベジタリアン」ぶりは余すところなく発揮されていた。もうハッキリと言ってしまおう。いまオレは伊佐に夢中である。

相模原戦でも良かったけど、千明のディフェンス面での頑張りが光る。縦パスを入れるセンスとか、捌く技術とかが良いのは分かっていたけど、やや物足りなく感じていたディフェンス面で今は目立つ。特に予測して動けている場面が多くて、「効いてるなぁ」と今日も何度も唸らせてもらった。




盛岡の神川監督。4年前にS級のインターンで大分に来てたとか。色々な繋がりがあるもんですなぁ。去年は西が丘に大学サッカーを観に行って、ふと振り返ると神川さん(当時は明治の総監督)が座っていることが本当によくあった。流経大ドラゴンズがJFLの前期優勝を決めてしまうこの時代にJ3のレベルをどう感じているのか聞いてみたい。



盛岡の2番・久保海都選手は関東学院大出身のルーキー。前節、相模原で後半にミドルシュートから大分ゴールを脅かした普光院誠選手と同期だ。関東学院大出身のルーキーの出世頭はご存知マリノスの富樫敬真選手なわけだけど、同期で敬真に、普光院に、海都とか、何かすげぇな。ちなみに大分のすぐ下の4位まで順位を上げてきた富山のトップスコアラーである萱沼優聖選手も同期。2部でこれだけプロ選手輩出する大学なかなかない。



手書きボードはもう慣れたぞ。



楽しそうな大分ゴール裏。ただこの写真は試合中じゃなく、試合前に地元のアイドルの子たちが歌ってる時の写真。スタジアムの雰囲気作りに一役も二役も買ってしまう大分ゴール裏、素敵です。



今回の盛岡遠征は土曜日の朝5時出発でガッツリ丸2日楽しんできた。




着いて早々わんこそば。味を楽しむものじゃないけど、ゲーム感覚で楽しかった。隣のテーブルのカップルと同時にスタートした序盤は楽勝だったけど、女性が脱落し、100杯超えて男性が脱落して、給仕の人と1対1になってからはマジできつかった。




今回食べた中で感動レベルでうまかったのが前沢牛。十分に時間を空けたけど、さすがにわんこそばの後遺症が残ってたから、がっつりライスまでは食べられなかったけど、このロースはライスと一緒だとうまさ倍増しただろうなと。


この店は冷麺もかなりうまかった。先週、別府の六盛でも冷麺食べたけど、スープが澄んでてしっかり牛骨ダシの盛岡の方が好きだなと今回感じた。出てきた段階では食べるのに邪魔としか思えなかったスイカが実はスープとめっちゃ合うことが驚きだった。



朝ごはんは福田パンへ。コッペパンが柔らかくて美味しいのはもちろん、何十種類もの具材から選べる楽しさがまたいい。ちなみに甘めのクリーム系にはホイップクリームの相性が抜群。





正直に言って、観光的要素はあんまり豊富じゃない盛岡。ただそれを補ってあまりある食の充実ぶり。北海道の次に広い岩手県。盛岡以外も色々と回ってみたいなと思った楽しい遠征でございました。
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