Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

群馬の新外国人選手

2015-03-19 00:50:27 | トリニータ
今季の群馬は好感度の高いチームだ。


さて、週末は群馬戦。今節はJ1が週中にナビスコ杯を開催している影響でJ2が土曜開催。やっぱ土曜開催の方が好きだな。1週間仕事して1日空けてから試合があるのと、週末にすぐに試合があるのとじゃやっぱ違う。J1に上がりゃいいのかもしれないけど、以前のように土日ミックス開催に戻してほしいよ。

さて、群馬。今季の群馬は例年通りにブラジル人選手を獲得。一気に3人も獲得して、そして3人ともが開幕から試合に絡んできてる。昨シーズンから練習参加させていたにも関わらず、開幕からわずか2週間で放出してしまった九州方面の某クラブとは大きな違いだ。そして群馬の新外国人選手といえば、伝統的に大分トリニータである。過去にラフィーニャ、ヘベルチと2人も大分戦でJ初ゴールを決めさせてあげて、前者はガンバへ、後者はセレッソへとそれぞれステップアップしていった。選手がステップアップしていったことはもちろん、クラブにもいくらかのお金を落としていっているだろうから、しっかりと群馬の転売ビジネスに貢献してきたってわけだ。そして今季の3人の中で、その匂いをプンプンとさせているのは一番若いFWのタンケだ。タンケは絵に描いたような荒削りな選手。うまくいかないとイライラとしてるところをすぐに見せてしまって、相手DFのいい標的にされてしまうし、試合終盤はもうヘロヘロでなかなかシュートがヒットしない。ただ間違いなく「ポテンシャル君」だ。能力はまだ顕在化してないだけで、絶対に持ち合わせている。土曜日の試合でスーパーなシュートを決めて、それをきっかけに才能が開花。そして夏頃に甲府盆地あたりに引っ越ししてたとしても、オレは全く驚かない。イメージ的にはガンバのパトリックっぽい。荒削りとはいいながらも後ろからのボールを収めて、はたくポストプレーはとてもうまい。ボールを収める能力だけならエヴァよりもかなり上。ラフプレーを審判に注意されて、合掌ポーズで謝っちゃうとことか、異文化にまだ馴染めてなくてとても初々しい。でもその初々しい感じに騙されたらダメだ。ボールを収められそうになったら、ダニエル先輩の激しいプレスバックで日本のサッカーの厳しさをきっちりと教えてやってほしい。ちなみにエルゴラ選手名鑑によると、群馬の外国人選手は3人とも「影響を受けた指導者」という質問に「呂比須ワグナー」と答えている。何か関係あるのかなと思ってたら、3人とも13年シーズンにグアラティンゲタという同じチームに所属してて、そこで呂比須と繋がりがあったのかもしれないね。

熊本戦で直接FKを決めたアクレイソンはベテランボランチ。ボランチの相棒である松下とは年齢も見た目もプレースタイルもみんな似てる。松下がキャプテンマークを巻いてるからかろうじて見分けがつくけど、なければ分からないくらいに本当に似てる。そしてアクレイソンは多分めちゃめちゃいい奴。長い距離を走って相手のドリブルを止めた選手のプレーを奇声を発しながら褒め称えたり、イライラしてるタンケを宥めにいったり、試合終了後に全員とハグする時の態度とか、エジを思い出すくらいにいい奴オーラ。でもこのいい奴オーラに騙されたらダメだ。アクレイソンがいい奴オーラを出し始めたら、ダニエル先輩がアクレイソンを上回るいい奴オーラを放って応戦だ。

もう一人のオリベイラもいいプレースキックを持ってて終盤に投入されるとイヤな存在だ。

今季の群馬は新外国人選手以外も大分と縁のある選手が多い。いずれも1年しか大分に在籍しなかったけど、右の夛田と左のコバリョウ。両SBが大分在籍経験者だ。コバリョウはもう32歳になったらしいけど、試合終盤でもまだガンガン上がってくるし、熊本戦の最終盤に回ってきたミドルのチャンスはフカさずに叩きたかったね。でもそれも最後まで走ってるからこそ巡ってきたチャンス。この2人にも注意が必要。

で、中でも一番注意したいのはルーキーでサイドハーフのレギュラーポジションを掴んでる江坂。彼は流通経済大卒業で、年末にインカレの決勝で関西学院大の福森と対戦してる。その試合は西が丘まで観に行ったけど、福森ばっかり見てて、この江坂って選手があんまり印象に残ることはなかったんだけど、確か延長に入る雰囲気が漂い始めた終了数分前に決勝ゴールを決めたのが彼だったはず。2節熊本戦で始まって5分でプロ初ゴールを奪うと、目に見えるくらいに自信を付けていって、思い切ったプレーを連発。フカさないシュート、柔らかいボールタッチ、読みにくいタイミングで出してくるパスと非常にセンス溢れる選手だ。慢心せずに頑張り続けたら、去年の熊本の澤田みたいに1年で個人昇格しても不思議じゃないくらいの能力があると思う。左SHなので対峙するのは流経の大先輩である西だ。ピリッとしないチームの中で一人キレキレのプレーを見せてる西だけに、先輩の風格を見せつけてやってほしい。「てめー、後輩のくせにオレより身長高いとか生意気なんだよ。」


感じのいいブラジル人に、将来性豊かなルーキー、縁のある両SB、そして帰ってきた群馬の象徴・松下裕樹。松下やアクレイソンといったボランチが声を出して鼓舞するから、ヘロヘロになりながらも最後までチーム全体で戦ってる。見ていてとても気持ちのいい、好感度の高いチームだ。


サッカーの仕上がりとしては試合中に二面性を見せる印象。攻撃時はしっかりとボールを持って、厚みのある攻めで相手を押し込める。支配してる時間も長いし、攻撃面での完成度はけっこう高いと思う。一方で守備に回るとバタバタ感が突如として表に出てくる。特に熊本戦の前半は完全に試合を支配しているにも関わらず、もったいないミス2つであっさりと逆転されている。この「ワンチャン決められちゃう感」は開幕からの2試合いずれもそうなので、早々には改善しないと思われる。なので、大分の今季初ゴールは敷島で生まれそうな気もするけど、失点もしそうだなというのが正直な印象。勝つためにはあとはゲームマネジメントだと思うから、そこはベテラン選手も多いわけで何とかしてねって感じ。

うちはスタメンはいじる必要はないと個人的には思ってる。あるとすれば点を獲るために少々手を入れる程度か。2連敗で最下位という状況で否が応でもチームを包み込んでるであろう危機感という空気。この危機感がチームを前に進めるためのガソリンになるのか、それとも足枷になるのかは始まってみないと分からない。決して勝てないとも思えないけど、あっさりと3連敗しても不思議ではない。そんな予想という予感がしてる。

今季始まってまだ不甲斐ない試合しか見せてもらってない現状で週末を楽しみに待っているとはとても言えない。重苦しくはないけど、少しの緊張感を持って週末を待ってるそんな気分。早く勝って、こんな気持ちから解放してほしい。
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