リコーからKマウント仕様のカメラが登場か?

 リコーのカメラと云えば古くはリコーフレックスが思い出されるが、これを実際に使ったことのある方はこのblogをご覧の方の中にはまずおいでにはならないか、いても極々わずかだと思うが、リコーは1990年代まではSLRも製造販売していたし、ハーフサイズカメラではオリンパスと並ぶ老舗だからお世話になった方は多いかも知れない。最近のレトロカメラ流行りの中で入手し現用中の方もおいでのことだろう。

 リコーのSLRは古くはM42マウント(プラクティカスクリュー)を使用していたが、1977年に登場したXR-1、XR-2からはペンタックスが策定したKマウント(この記事を書くに当たって調べて初めて知ったのだが、Kマウントの「K」は「King of SLR」の「K」なのだとか)をSLRから撤退するまで使っていた。

 Kマウント以前のペンタックスはご存知の通り万国共通規格とでも云うべきM42を使っていたが、それがペンタックスの哲学なのだろ、Kマウントもユニバーサルマウント化を目指し規格を公開したためにMF(マニュアルフォーカス)時代には国内外の様々なメーカーに採用されることになった(国内メーカーだけでもチノン、ミランダ、ペトリ、コシナ、トプコンと多数)。

 リコーもそのうちの一社でありKマウントとの付き合いは20年以上にわたるが(1998年発売の輸出専用機KR-10Eまで)、その後はSLR市場から撤退したため、Kマウントを使用するカメラはここ10年間登場していないことになる。ところが、ここに来て「リコーがKマウントのカメラを開発中」との噂が飛び交っているからびっくりである。

 いまさらリコーがDSLR市場に打って出るとは考えられない。飛び交っている噂を総合し郷秋<Gauche>が導き出した結論(と云っても勿論「予想の結論」であるが)は、「KマウントとAPS-Cイメージセンサーを使用し、かつレフレックス機構(ミラーとペンタプリズム)を持たないカメラ」である。

 噂で「Kマウント」とされていることから考えるとFour Thirds(フォーサーズ)から派生したMicro Four Thirds(マイクロフォーサーズ)のように、マウント径を縮小したものではないだろう。つまり使用するマウントはKマウントそのものであるが、レフレックス機構を持たないカメラ専用であることから、ボディ本体と共にリコーが開発しているであろう専用レンズはフランジバック(ボディ側のレンズマウントから撮像体(フィルムもしくはイメージセンサー)までの距離)の短いものとなるだろう。

 Kマウントでありながらフランジバックが短いということは、本来のKマウントのフランジバックとの差分の厚みのあるアダプタを使用すればすべてのKマウントレンズを使用することが出来るということである。つまりはFour Thirdsに対するMicro Four Thirds規格と同じ考え方に基づく、E-P1やGF1と競合するかカテゴリのカメラである。

 Kマウントの口径がそのままと云うことは、小型化と云う意味ではハンディになるがAPS-Cセンサー使用を前提に考えれば止むを得ないことだし、Four Thirdsの倍の大きさのあるセンサーによる、特に高感度時の画質を考えればE-P1やGF1より若干大きくなったとしても甘受しなければならないだろう。

 大きくなるといってもボディサイズに比してマウントが大きくなるのであって、ニコンがプロ用のD3と同じマウントを使ってD3000のような小型のSLRを作り上げていることを考えれば、それ程大きなボディにはならないような気もする。勿論レンズの方も設計のしようで相当小さなものを作ることも出来るだろう。事実、ペンタックスは厚み15mm、90gの40mm F2.8のレンズを持っている。

 HOYAがペンタックスを買収して間もなく2年になるが、HOYAとしてはどうやらカメラ部門をお荷物と感じ始めているようで、提携先・売却先を探しているといった情報を見聞きすることが多くなってきている。同じ時期にリコーがKマウントを使用するカメラを開発しているとの噂を耳にするとなると、ペンタックスとリコーの間に技術的な関係以外の関係が生じ始めているのではないかとの想像も当然出て来るわけである。

 SLR市場はニコンとキヤノンの二社が支配し、そこにソニーが割って入ろうかという図式。SLRでのシェアの小さなオリンパスは「マイクロ一眼」に活路を見出そうとしているようだし、パナソニックも軸足は完全にマイクロフォーサーズに移しているようである。となると、ペンタックスの進むべき道は自ずと見えてくる、かな?


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、天下茶屋を見た日の夜の食卓に乗っていたキャンドル。COOLPIX S52で撮ったものですが、暗いところでの画質がまずまずなのにはちょっと驚きました。
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