ジャン-カルロ・フィジケラへの手紙

 ジャン-カルロ、おめでとう。F1ドライバーであれば誰しも憧れるフェラーリのシート、ましてやイタリア人である君にとっては、いつかは叶えたかった大きな夢がついに現実のものになったんだね。しかもデビューレースはGPの度にスタンドが赤で埋め尽くされるアウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ。フェラーリドライバーとしてのデビューにこれ以上相応しいサーキットは考えられない。申し分の無いお膳立てだ。

 先週末、スパ-フランコルシャンで行われたベルギーGPでは、これまで弱小と思われていたフォース・インディアの、戦闘力が無いと思われていたVJM02で、フェラーリのライッコネンを追い回したね。残念ながら優勝は逃したけれど、素晴らしいレースだった。

 チャンスは誰にでも等しくやって来る。でもそのチャンスをモノに出来るのは努力した人だけ。長い間いくつもの弱小チームで、あるいはチームメイトよりも劣るサポートの中でも君は文句も言わず黙々と走り続けてきた。そして得たスパでの2位そしてフェラーリのシート。ジャン-カルロ、辛い時期もあったけれど君は努力を怠らなかった。その努力を神様はちゃんと見ていたんだね。

 43年もの間、モンツァでイタリア人ドライバーが駆るフェラーリの勝利を待ち続けてきたティフォシたちに君の走りを、そしてポディウムの一番高いところでのシャンパンファイトを見せてやってくれ。ジャン-カルロ、僕も楽しみにしているよ。
 Buon fortuna!
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郷秋<Gauche>、富士山を撮る

 先週、8月27日のことだが、最初はまったくそんな気が無かったのに、成り行き上、富士山を撮ることになってしまったのでした。しかも超有名な撮影ポイントで。

 富士山を遠望し山中湖を見下ろす「パノラマ台」と云うのがその場所。富士山は、大型カメラを使って年間を通して取り組もうという方にこそ相応しい被写体であって、ドライブのついでのちょっと寄ってみた、云わば「ひやかし」が撮るようなものではないと郷秋<Gauche>は思っているのでホンの軽い気持ちで出かけたのだが、結局日没の1時間以上前から日没後30分まで、都合2時間もの時間を費やし、少なくない枚数を撮影すこととなってしまったのでありました。

 しかしだ、以前から聞いてはいたけれど、有名撮影ポイントに集まる写真愛好家(プロではいないように見受けられた)の数の多いことと装備の凄さにはまっこと驚いた。


 日没1時間前のパノラマ台付近である。既に8本の三脚が並んでいるが、最終的にはこの場所だけで12、3本の三脚が並んだ。郷秋<Gauche>はと云えば、この写真撮影位置の右手後方に三脚を据えたがその辺りには10本ほど。まずは場所取りと云うことである。

 三脚はアルミ製とカーボン製が半々と云ったところだが、クラス(大きさ)はだいたい郷秋<Gauche>の持っているのと同程度。中にお一人だけ「8×10」(「エイト・バイ・テン」と読み、8インチ×10インチのシートフィルムを使う大型カメラのこと)でも乗せられそうな三脚をお使いの方がいたけれど、乗っていたカメラはペンタックス67であった。

 カメラはデジタルが7割程でフィルムを使うカメラは66、67、645と云った中判がほとんど。35mmは1、2台しかなかったように記憶している。

 と云うことで、カメラ機材はびっくり驚くほどのものではないのだが、パノラマの台駐車場まで乗ってきたクルマが凄かった。半分以上が1BOXワゴンなのだが、そのほとんどすべてが2列目以降のシートを収納し、片側にベッド、僅かな通路部分を挟んで反対側にはキッチンセットや冷蔵庫が収められている、定員1名のキャンピングカー仕様なのである。この定員1名のキャンピングカーで撮影ポイントに乗りつけ、夕日を撮るとそのまま車内で宿泊して朝日を撮るという兵(つわもの)も少なくないようであった。


 作品としてではなく、こんなロケーションだと云うことでご覧頂きた。手前はススキ野原、その下に黒々とした森、森の向こうが山中湖である。この写真を撮影したのが17時07分。まだまだ早い夕方と云った趣だが、日はあっという間に暮れていく。


 17時59分。裾野の方に低くかかる雲の中に沈もうとしている太陽。右上に出ている黒っぽい斑点はゴーストか。ボツ写真である。出ている場所と色が微妙だが、画面内から光源(太陽)を外すと消えるからイメージセンサーに付いたゴミではない。(明日に続く)
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