唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
2009年F1 第13戦イタリアGP観戦後雑感
観戦とは云って勿論TV、しかも地上波での観戦であるが、以下は郷秋<Gauche>がモンツッアのレースを見ての雑感である。特に3つの事に着目して書いてみたい。
ポイント1:ブラウンGPの復活は本物か
開幕戦から圧倒的な強さで突っ走ったブラウンGPだが第7戦トルコGPを最後に突然の失速。バリチェロが第11戦ヨーロッパGPで突然の優勝を果たしたものの2009年のポイントリーダーたるバトンは第12戦ベルギーGPまで不振を囲うことになった。
バリチェロはバトンが突如失速した第8戦イギリスGPでも3位入賞するなど、序盤戦の勢いは無いというもののそこそこの走りを見せていただけにバトンの不振だけがやけに目に付くヨーロッパラウンドとなったが、突然の失速の後はまた、突然の復活である。
果たしてブラウンGP、取り分けバトンの突然の失速の原因は何なのか。主たる原因がマシンの不調だとすると、バリチェロのイギリスGP3位、ヨーロッパGP優勝の説明ができない。そこで郷秋<Gauche>はバトンの「真夏の不調」の原因は彼自身のメンタルな問題であると結論付けたい。根拠はない。苦節10年、漸くつかんだ大きなチャンス。と同時にその大きなプレッシャーに耐えかねたのか、あるいはまったくプライベートな問題なのか、知る由もない。
マシンが本当に調子を取り戻したのかどうかは次戦の結果を見るまでは判断のしようがない。久々の1-2フィニッシュはマシンの絶対的速さではなくロス・ブラウンの、1ストップと云う戦略によってもたらされたものだからである。なお、モンツッアにおけるバリチェロとバトンの僅かな差はセッティングの差である。
ポイント2:フォース・インディアの速さは本物か
結論を先に云っておこう。郷秋<Gauche>の結論は、「本物である」。その理由はモンツッアでVJM02に初めて乗ったビタントニオ・リウッツィが予選7位を獲得したこと。初めてのマシンで走ることがどれ程難しいかは、マッサの代役でフェラーリF60に乗ったルカ・バドエルの惨憺たる結果を思い出せばよいだろ。初めて乗るマシンで予選7位とは余程優れたマシンでなければ成せぬ業。名手ジャン-カルロ・フィジケラをもってしても初めて乗るF60では予選14位が精一杯だったのである。
VJM02の速さの源は、パワフル(だと思われる)メルセデスエンジンよりも、その優れたハンドリングに拠る所が大きいだろう。オンボードカメラの映像を見ているとわかるが、VJM02はコーナー出口でのステアリング修正を必要としていない。実にスムーズなコーナリングで、コーナーの頂点通過直後に加速が可能な状態である。
ハンドリング特性としては、オーバーステア(ドライバーが意図した以上に曲がってしまう。多くはテールがアウト側にスライドしている)とアンダーステア(ドライバーが意図したより少ししか曲がらない。多くはフロントタイヤが取りたいラインより外に逃げていく)がある。ニュートラルが理想であるがなかなかそう云うセッティングには持ち込めず、弱オーバーか弱アンダーになることが多い。極端な場合は別だがオーバーかアンダーか、ドライバーによって好みが分かれるようだ。いずれにしてもコーナー進入時にはそのハンドリング特性に応じたライン取りをすることが出来る。
問題はコーナー出口でのマシン挙動である。アプローチとは違い、予測できない挙動に見舞われることが多々ある。つまり、縁石に乗り上げた場合、コース上に砂が出ていた場合、あるいはアプローチの仕方が若干でも甘かった場合などであるが、サスペンションが十分な仕事をしていなければマシンは挙動を乱し、ドライバーはコーナリングのたびにステアリングを右に左にし暴れるマシンを押さえ付けなければならないことになる。
F1マシンのタイヤグリップ(コンパウンド(接地面のゴムの材質)と空力の相互作用)は強力だから、カウンターステア(テールが流れるのとは逆の方向にステアリングを切ること)を当てた後には強い揺り戻しがくることが想像できる。車載カメラで見る限り、昨日のレースであればレッドブルのRB5がまさにそのようなマシンだった。十分なダウンフォースがあれば多少改善されたのかも知れないが、名うての高速コース故にモンツッアを走るマシンはどれもダウンフォースをぎりぎりまで削っていることからそれも適わず、ベッテルはコーナーのたびにステアリングと格闘していたのである。
最初に書いた結論通り、フォース・インディアVJM02は乗り易くかつ速いマシンである。ただし、高速サーキットでは。と云うのはフォース・インディアが急に戦闘力を増したのがスパ・フランコルシャンからだからである。果たして次戦、シンガポール市街地コースのような低速コースでどのような結果を残すのか楽しみである。シンガポールでも速ければVJM02の速さは本物であると断言できる。
ポイント3:2009年のチャンピョンシップの行方
コンストラクターズは、4戦を残して2位レッドブルに40.5ポイントの差を付けているブラウンGPで決まりだろう。問題はドライバーズ・チャンピョンシップだ。郷秋<Gauche>の予想はずばり、ジェンソン・バトン。
第7戦まで圧倒的な強さを発揮したバトンだが、その後はスランプに陥りその間にレッドブルのベッテルとウェバーがポイントを積み上げたが、コンスタントにポイントを獲得できたのは第9戦まででありその後はドタバタなレースが続いている。おそらく残り4戦の中でよいレースもあるだろうけれど、悪いレースもあるから確実なポイント積み上げは難しいと郷秋<Gauche>は読んでいる。
勿論、外的な要因もある。それはマクラーレンとフェラーリの復活、さらにはフォース・インディアの急成長である。マクラーレン、フェラーリ、フォース・インディアの誰かが表彰台に上がる、あるいは2人ずつがポイント圏内でフィニッシュすれば、レッドブルとブラウンGPの4人が表彰台に上る、ポイントを取ることの出来る可能性は少なくなってくる。大量ポイントをゲットするのがブラウンGPかレッドブルだけであったシーズン半ばまでとは状況が違っているのである。
つまり、チャンピョンシップを争っているベッテルとウェバーの敵はブラウンGPのバトンではなく、マクラーレン、フェラーリあるいはフォース・インディアのドライバーと云うことになる。逆に云えば、バトンは自分がポイントを取れなくても、マクラーレン、フェラーリあるいはフォース・インディアのドライバーがポイントを取ってくれれば、判り易く云えば、ベッテルとウェバーがポイントを取れない状態が続きさえすれば、タイトルが転げ込んでくるのである。
そんなこんなを考えると、バトンの最大のライバルは同僚のバリチェロである。でも大丈夫。残り4戦すべてでバリチェロが優勝したとしても、バトンがバリチェロのすぐ後ろあるいはもう一つ後ろでフィニッシュすれば逆転されることはないし、そもそも残りレースのすべてでバリチェロが優勝できるとは考えられないからである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、街中に突然現れたボーイング777-300。以前、羽田空港付近の道路をクルマで走っていて前方に突然ヒコーキが現れてびっくりしたことがありましたが、陸側のA滑走路と海側のC滑走路の間でヒコーキが行き来する必要がありますので、当然そう云う現場を目撃することもあるわけですね。で、今日の写真は空港近くのとあるビルの6階屋内から撮ったもの。写真奥が横浜方向ですから、海側のC滑走路に下りた777が、第一ターミナルまでタキシー中ということになりますね。
ポイント1:ブラウンGPの復活は本物か
開幕戦から圧倒的な強さで突っ走ったブラウンGPだが第7戦トルコGPを最後に突然の失速。バリチェロが第11戦ヨーロッパGPで突然の優勝を果たしたものの2009年のポイントリーダーたるバトンは第12戦ベルギーGPまで不振を囲うことになった。
バリチェロはバトンが突如失速した第8戦イギリスGPでも3位入賞するなど、序盤戦の勢いは無いというもののそこそこの走りを見せていただけにバトンの不振だけがやけに目に付くヨーロッパラウンドとなったが、突然の失速の後はまた、突然の復活である。
果たしてブラウンGP、取り分けバトンの突然の失速の原因は何なのか。主たる原因がマシンの不調だとすると、バリチェロのイギリスGP3位、ヨーロッパGP優勝の説明ができない。そこで郷秋<Gauche>はバトンの「真夏の不調」の原因は彼自身のメンタルな問題であると結論付けたい。根拠はない。苦節10年、漸くつかんだ大きなチャンス。と同時にその大きなプレッシャーに耐えかねたのか、あるいはまったくプライベートな問題なのか、知る由もない。
マシンが本当に調子を取り戻したのかどうかは次戦の結果を見るまでは判断のしようがない。久々の1-2フィニッシュはマシンの絶対的速さではなくロス・ブラウンの、1ストップと云う戦略によってもたらされたものだからである。なお、モンツッアにおけるバリチェロとバトンの僅かな差はセッティングの差である。
ポイント2:フォース・インディアの速さは本物か
結論を先に云っておこう。郷秋<Gauche>の結論は、「本物である」。その理由はモンツッアでVJM02に初めて乗ったビタントニオ・リウッツィが予選7位を獲得したこと。初めてのマシンで走ることがどれ程難しいかは、マッサの代役でフェラーリF60に乗ったルカ・バドエルの惨憺たる結果を思い出せばよいだろ。初めて乗るマシンで予選7位とは余程優れたマシンでなければ成せぬ業。名手ジャン-カルロ・フィジケラをもってしても初めて乗るF60では予選14位が精一杯だったのである。
VJM02の速さの源は、パワフル(だと思われる)メルセデスエンジンよりも、その優れたハンドリングに拠る所が大きいだろう。オンボードカメラの映像を見ているとわかるが、VJM02はコーナー出口でのステアリング修正を必要としていない。実にスムーズなコーナリングで、コーナーの頂点通過直後に加速が可能な状態である。
ハンドリング特性としては、オーバーステア(ドライバーが意図した以上に曲がってしまう。多くはテールがアウト側にスライドしている)とアンダーステア(ドライバーが意図したより少ししか曲がらない。多くはフロントタイヤが取りたいラインより外に逃げていく)がある。ニュートラルが理想であるがなかなかそう云うセッティングには持ち込めず、弱オーバーか弱アンダーになることが多い。極端な場合は別だがオーバーかアンダーか、ドライバーによって好みが分かれるようだ。いずれにしてもコーナー進入時にはそのハンドリング特性に応じたライン取りをすることが出来る。
問題はコーナー出口でのマシン挙動である。アプローチとは違い、予測できない挙動に見舞われることが多々ある。つまり、縁石に乗り上げた場合、コース上に砂が出ていた場合、あるいはアプローチの仕方が若干でも甘かった場合などであるが、サスペンションが十分な仕事をしていなければマシンは挙動を乱し、ドライバーはコーナリングのたびにステアリングを右に左にし暴れるマシンを押さえ付けなければならないことになる。
F1マシンのタイヤグリップ(コンパウンド(接地面のゴムの材質)と空力の相互作用)は強力だから、カウンターステア(テールが流れるのとは逆の方向にステアリングを切ること)を当てた後には強い揺り戻しがくることが想像できる。車載カメラで見る限り、昨日のレースであればレッドブルのRB5がまさにそのようなマシンだった。十分なダウンフォースがあれば多少改善されたのかも知れないが、名うての高速コース故にモンツッアを走るマシンはどれもダウンフォースをぎりぎりまで削っていることからそれも適わず、ベッテルはコーナーのたびにステアリングと格闘していたのである。
最初に書いた結論通り、フォース・インディアVJM02は乗り易くかつ速いマシンである。ただし、高速サーキットでは。と云うのはフォース・インディアが急に戦闘力を増したのがスパ・フランコルシャンからだからである。果たして次戦、シンガポール市街地コースのような低速コースでどのような結果を残すのか楽しみである。シンガポールでも速ければVJM02の速さは本物であると断言できる。
ポイント3:2009年のチャンピョンシップの行方
コンストラクターズは、4戦を残して2位レッドブルに40.5ポイントの差を付けているブラウンGPで決まりだろう。問題はドライバーズ・チャンピョンシップだ。郷秋<Gauche>の予想はずばり、ジェンソン・バトン。
第7戦まで圧倒的な強さを発揮したバトンだが、その後はスランプに陥りその間にレッドブルのベッテルとウェバーがポイントを積み上げたが、コンスタントにポイントを獲得できたのは第9戦まででありその後はドタバタなレースが続いている。おそらく残り4戦の中でよいレースもあるだろうけれど、悪いレースもあるから確実なポイント積み上げは難しいと郷秋<Gauche>は読んでいる。
勿論、外的な要因もある。それはマクラーレンとフェラーリの復活、さらにはフォース・インディアの急成長である。マクラーレン、フェラーリ、フォース・インディアの誰かが表彰台に上がる、あるいは2人ずつがポイント圏内でフィニッシュすれば、レッドブルとブラウンGPの4人が表彰台に上る、ポイントを取ることの出来る可能性は少なくなってくる。大量ポイントをゲットするのがブラウンGPかレッドブルだけであったシーズン半ばまでとは状況が違っているのである。
つまり、チャンピョンシップを争っているベッテルとウェバーの敵はブラウンGPのバトンではなく、マクラーレン、フェラーリあるいはフォース・インディアのドライバーと云うことになる。逆に云えば、バトンは自分がポイントを取れなくても、マクラーレン、フェラーリあるいはフォース・インディアのドライバーがポイントを取ってくれれば、判り易く云えば、ベッテルとウェバーがポイントを取れない状態が続きさえすれば、タイトルが転げ込んでくるのである。
そんなこんなを考えると、バトンの最大のライバルは同僚のバリチェロである。でも大丈夫。残り4戦すべてでバリチェロが優勝したとしても、バトンがバリチェロのすぐ後ろあるいはもう一つ後ろでフィニッシュすれば逆転されることはないし、そもそも残りレースのすべてでバリチェロが優勝できるとは考えられないからである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、街中に突然現れたボーイング777-300。以前、羽田空港付近の道路をクルマで走っていて前方に突然ヒコーキが現れてびっくりしたことがありましたが、陸側のA滑走路と海側のC滑走路の間でヒコーキが行き来する必要がありますので、当然そう云う現場を目撃することもあるわけですね。で、今日の写真は空港近くのとあるビルの6階屋内から撮ったもの。写真奥が横浜方向ですから、海側のC滑走路に下りた777が、第一ターミナルまでタキシー中ということになりますね。
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