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物事は正確に

 例によってビール(モドキ)を飲みながら神奈川新聞を読んでいた。スポーツ欄に程々の大きさの見出しで「アロンソ4連勝」。そうだ、4連勝だ。強すぎるぞ、アロンソ!と、そこまでは良かった。その左に小さく「佐藤(琢磨)は順位を上げ15位」

 待てよ、一体ぜんたい何台走った中の15位なんだ? 今年のF1は22台がエントリーしているけれど、カナダGPでは7台がリタイヤ。完走(扱い)は15台だ。つまり、琢磨は「ビリ」。おまけに、彼自身の最終周である64周目にターン9のウォールに接触、クラッシュしているから、チェッカード・フラッグを受けていない。

 F1のレギュレーションではたとえDNF(Did Not Finish)であっても、優勝者の周回数の90%に当たる周回をクリアすれば「完走」とみなされるのである。つまり、フィニッシュしていなくても完走なのである。こうして書いてみると何とも奇妙なことなのだが、FIAが定めたレギュレーションに従えばこういうことになる。だから琢磨はクラッシュしチェッカード・フラッグを受けられなかったけれど完走(扱い)なのである。

 その意味では、神奈川新聞の見出し、「佐藤は順位を上げ15位(完走)」は嘘ではない。確かに15位だ。でも琢磨の後ろには誰もいない。確かに完走だ。だけどチェッカード・フラッグを受けていない。

 「佐藤は順位を上げ15位」。こんな見出しじゃ、F1を知らない人は、琢磨がさぞかし立派な結果を残したのかと、勘違いするぞ。

注:琢磨のレース内容が悪かったと言っているのではありません。彼はドライブしずらいSA05で精一杯戦い、クラッシュの前まではミッドランドのモンテイロを従え、立派なレースをしていました。私がここで言いたいのは、神奈川新聞の見出しが、読者に誤解をあたえる、正確さに欠けるものであるということです。

今日の1枚は、豪華に画面いっぱいの紫陽花。

[ 撮影 : なるせの森 ]
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