費用対性能比率

 なにやら難しそうな言葉だけれど、よく耳にする「コスト・パフォーマンス=cost performance ratio」を直訳するとこうなる。日本語の方が聞きなれないというのもおかしな話だが、「費用対効果」と言えば少しはわかりやすくなるだろうか。

 さて、私が言いたいのはFormula 1における費用対性能比率である。こちらの記事をご覧いただきたい。今年F1に参戦している全11チームの2006年シーズンの投資額である。

順位 / チーム / 投資額
1.マクラーレン / 460億円
2.トヨタ / 452億円
3.ホンダ / 439億円
4. BMW / 435億円
5.フェラーリ / 378億円
6.ルノー / 345億円
7.レッドブル / 231億円
8.ウイリアムズ / 154億円
9.スーパー・アグリ / 109億円
10.ミッドランド / 87億円
11.トロ・ロッソ / 75億円


イギリス『ビジネスF1』誌の予想。
F Motorsports.nifty F1ニュースより

 パドックの雀たちによればトヨタが一番投資しているといわれていたわけだが、一番カネをかけているのはトヨタらしい。では上記の投資額で、一番効率よくリザルトを残しているのはどのチームなのか。これがF1における費用対性能比率だ。一目でわかるのが、ルノーの効率の良さだ。なんと言ってもコンストラクターズ・ポイントにおいてトップを爆走中であるにも係わらずその投資額は11チーム中の真ん中なのだから。さすが、コスト・カッターの異名を取るカルロス・ゴーンのチームである

順位チーム / 投資額 / ポイント / ポイント単価
1.ルノー / 345億円 / 106 / 3.25億円
2.フェラーリ / 378億円 / 75 / 5.04億円
3.マクラーレン / 460億円 / 59 / 7.80億円
4.ホンダ / 439億円 / 29 / 15.14億円
5.ウィリアムズ / 154億円 / 10 / 15.40億円
6.BMW / 435億円 / 17 / 25.59億円
7.レッドブル231億円 / 8 / 28.88億円
8.トヨタ / 452億円 / 8 / 56.50億円
9.トロ・ロッソ / 75億円 / 0 /∞
10.ミッドランド / 87億円 / 0 /∞
11.スーパー・アグリ / 109億円 / 0 /∞


 1ポイント当たりの投資額を少ない順から並べるとこうなる。
 ルノーはトヨタのわずか1/17の投資で効率よくポイントを稼いでいる。ホンダでさえトヨタの約1/4の投資額でポイントを獲得。こうして見ると、トヨタの効率の悪さが際立っていることがよくわかる。よくもまあ、株主からF1撤退の要求が出ないものである。そこは『トヨタ銀行』の株主、将来への投資だとして鷹揚に構えているのだろうか。

 弱小チームながら、モナコではクルサードが3位に入るなど「良くやっている」と評価されるレッドブルだが、上記の数字を見るとさほど褒められた成績ではないことがわかる。なにせ1ポイント取るのにルノーの9倍ものカネをかけているのだから。下位の3チームは、残りのシーズンで仮に1ポイントを獲得できたとしても、その1ポイントのために100億円もの予算をつぎ込んでいるのだから、論外。

今日の1枚は雨の尾根道。

 今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しております。春色の森をぜひご覧ください。
恩田Now 
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