パナソニックからDSLR登場

 つい先日、ソニー初のDSLR(DSLR(Digital style Single Lens Reflex = デジタル方式一眼レフ)「α100」が発表されたばかりだが(こちら参照)、今度はパナソニックから「DMC-L1K」が発表された。

 DMC-L1Kはオリンパスが提唱するフォー・サーズ・システムに準拠したパナソニック初のDSLRである。デジタル方式カメラの心臓部である撮像素子には、ニコンやペンタックなどが採用するAPSサイズよりも更に小さい4/3型(18*13.5mm)、750万画素のMOSを採用。レンズマウントを共有するオリンパス製DSLR用レンズを装着することが出来る。撮像素子が小さいことからレンズの焦点距離は35mmフィルム換算で約2倍となる。

 今回発表されたDMC-L1Kは35mmフィルム換算で28-100mm(F2.8-3.5)、光学式手ブレ補正搭載を搭載した「ライカ D VARIO-ELMARIT(バリオ・エルマリート)」レンズとセットで販売され、ボディ、レンズとも単体での販売はされないようである。

 DMC-L1のボディはレンジファインダー方式カメラのデザインを意識したとされるが、一般的なペンタプリズムではなくPen Fからの伝統であるミラーを利用したファインダーを持つためにDSLの象徴とも言えるボディ上部の「とんがり」を持たない独自のスタイルとなっている。このスタイルからもわかるとおり、中身は同じスタイルのオリンパスE-330と同一のはずである。

 DMC-L1の最大の特徴は単体ならばおそらく10万円を越えるライカブランドのレンズを標準装着としたことと、そのセット価格が23万円(実売価格の予想)と、かなり高価であること(Nikon D200レンズキットより若干高価)。

 α100をレンズキットで11万円程度の入門機とし、新規ユーザー取り込みを足がかりとしてDSLRに参入するソニーに対して、パナソニックはハイエンド・アマチュアをそのターゲットとしてのDSLR参入である。

 しかしだ、ハイエンド・アマチュアが求めるスペックは、撮像体にあってはAPSサイズよりも35mmフルサイズ(一般的には。私はAPSサイズがベストと考えている)、画素数においては600万画素より1000万画素である。このようなスペックを求めるユーザーが、果たして撮像体がAPSより小さい750万画素のDMC-L1に食指を動かすだろうか。ブランドがコンパクトタイプと同じLUMIXであることも大いに気になるところだろう。

 ソニーはミノルタの遺産を引き継いで(正確には購入し)、オーソドックスなDSLR入門機で参入し、パナソニックは特異なフォー・サーズ・システムを選びライカブランドの凝ったレンズを引っさげて上級機種でDSLR参入。果たしてどちらの戦略が正しかったのかは、今年末のボーナス商戦までにはその結果がでることだろう。

今日の1枚は、美容柳(びようやなぎ)。紫陽花と並ぶ梅雨時の花。
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