福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯のけが 乳歯の場合その2

2006-05-13 | 歯のけが
乳歯をぶつけた場合、グラグラの程度によって歯科的にどのように処置するか、先日説明しました。固定が必要な場合、できるだけ早めに処置することで経過も良好になります。ぶつけて歯が半分埋まってしまったような場合、グラグラは意外とありません。このような時元の位置に戻して固定することは、ある種、歯を抜くような力を加えることになりますので、私の場合、消毒や投薬のみで経過を観察します。1か月くらいでだんだん出てきてほぼ元の位置に戻ります。
外傷後の後遺症として考えられることは、
・ 神経が死んで、歯の変色や根の周りの炎症が起こることがある。根の周りの炎症症状が出たら根の治療が必要。
・ 永久歯の頭部分は骨の中である程度形成されており、乳歯の根の部分と近接しているので、外傷のダメージで永久歯表面に形成不全(通常はスポット状の白斑)が発生したり永久歯の位置がずれることがある。
・ 根の治療を行った場合でも、乳歯の根が早めに溶けて、永久歯との交換時期より早く抜けてしまうことがある。
などがありますので、一応治った後でも定期的にチェックしてもらうのが良いと思います。
ちなみに歯が欠けた場合、外傷を起こす力は残った歯にはあまり伝わっていませんので、意外と経過は良好です。歯が欠けてしまったというのは保護者にとってはショックだと思いますが、虫歯で歯が欠けたのとほぼ同様と考えられるので、虫歯治療と同様の方針で処置します。
最後に、根の部分が折れていたり、歯の頭部分から根にかけて斜めに折れていることは乳歯ではめったにないのですが、この場合、乳歯では歯を残すことは通常困難です。
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