福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯を削らない治療って?

2006-05-12 | 虫歯治療の話

最近歯を削らない(実際は最小限に削る)治療が可能になってきているのは、前回書いたコンポジットレジンの発展によるものが大きいと思います。いわゆる金属の詰め物の場合、歯科用セメントで接着するために虫歯があまり大きくなくても、ある程度の深さと幅で削らねば詰めてもはずれやすくなります。また詰め物があまり不定形だとうまく金属鋳造できません。簡単に言うと歯の都合より、金属やセメントの都合が優先されていたわけです。ところが、レジンはペースト状のものを削った部分につめて固め、セメントよりも良く歯に接着しますので、歯の都合で虫歯の部分+αを最低限に削って詰めることが可能になりました。写真のような小児歯科で出くわす永久歯奥歯の小さいむし歯は、以前は金属の詰め物が普通でした。最近は虫歯部分のみ削ってレジンを詰め、同時に将来虫歯になりやすい溝の部分は予防的にシールすることで、1回で見た目も自然な治療が終了します。削る量が少ないので、注射麻酔も不要なことが多くなりました。ただし、むし歯がある程度以上大きい場合は、永久歯奥歯ではレジンが割れる場合もありますので、従来の治療が無難です。

治療前は永久歯奥歯の溝の部分に虫歯と着色があります

虫歯の部分のみ最小限に削ってレジンを詰め、将来的に虫歯が発生しそうな溝の部分は予防的にシールしました

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