写真のように奥歯の溝に着色があると誰でも「これって初期のむし歯?」と思いますよね。以前は、着色=むし歯=進んで大きくなる⇒早期に治療というロジックでした。ところがここ15年ほどのカリオロジー(むし歯学)の発展で、診断や治療選択に変化が起こりました。まず着色があったら、触診といって、実際器具で触ってみる訳ですが(1)明らかに穴のあいたむし歯(2)むし歯の初期(3)単なる着色(4)むし歯の初期が再石灰化して進行がストップしている状態、などが考えられ複雑になりました。現代の歯科でしたら(3)(4)は当面歯を削る詰めるという処置は不要で、(1)は治療しますね。また、(2)の初期むし歯はどうするか歯医者の迷うところで、(2)(3)(4)を判別するのは難しい場合も多々あります。
最近上の写真のような「ダイアグノデント」というある種のむし歯探知器があって、当院でも時々使用しています。これは弱いレーザーを使って、むし歯の部位と程度を調べることができる器械です。したがって、着色のみで意外とむし歯でないとか、初期むし歯と分かった場合でも、フッ素やフッ素入りセメントで再石灰化を促したのち再検査することで、虫歯がストップしていることが確認できたりします。小児歯科では、出て間もない永久歯奥歯のむし歯?という患者さんが少なくないので、便利で説得性のある器械です。