福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

乳歯のかみ合わせ 反対咬合

2006-05-01 | 歯並び、矯正の話
乳歯の時期の歯並びかみ合わせ相談で多いのが、前歯のかみ合わせが逆になっている「反対咬合」です。理屈的には早めに乳歯の時期から治療開始したほうが良いのですが、顎の骨格発育との関わりが大きく、特に下顎は思春期がほぼ終わるまでは発育変化が見られることが多いのです。従って、治療全体のボリュームや期間から考えると、乳歯時期の治療はあまり効率的ではありませんので、通常は永久歯の上下前歯が出揃う小学校2、3年位まで経過観察する場合がほとんどです。乳歯の反対咬合のいくらかは、永久歯に生え変わる段階で正常なかみ合わせになることがありますので、そうなれば儲けものです。
原因は
(1)上の前歯が内側、下の前歯が外側に倒れている、歯の傾斜による場合
(2)下顎が前にずれている場合
(3)上顎、下顎の大きさが不調和なもの、すなわち下顎が大きいか、上顎が小さい場合
で、これらがいくつか関与している場合が多いのですが、主たる原因に対応するような治療方針を立てます。ただし、顎の大きさをコントロールすることはかなり限界があります。
通常に近い状態でかめること、顎のずれをできるだけ改善すること、将来的な上下顎の発育に悪影響を与えないということを目的に、まず永久歯前歯のかみ合わせを改善します。以降は、他の永久歯の生え変わりを見ながら、思春期発育による変化がある程度落ちついた10代半ばで再評価し、最終的な矯正が必要か判断します。
反対咬合は延々と治療するわけではありませんが、ちょっと気長にとらえていただきたいと思います。
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