アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

It’s a wonderful world

2008-11-09 10:41:14 | 音楽
『It's a wonderful world』 Mr.Children   ☆☆☆☆  ミスチルが2002年に発表した10枚目のアルバム。ミスチルのアルバムはベストを含めて何枚か持っているが、その中ではこれが一番出来がいいと思う。ミスチルを聴きたくなった時は大抵これを聴く。いい曲が揃っているしバランスも良く、ベスト盤よりこっちの方がいい。  全体に春の風のような柔らかさと明るさが漂っていて、 . . . 本文を読む

ローズ・マダー

2008-11-07 22:14:04 | 
『ローズ・マダー』 スティーヴン・キング   ☆☆  本棚の整理をしていたら出てきたのでつい再読。キング作品の中ではマイナーな作品だろう。映画化もされてないし。  一応、暴力夫から逃げ出した妻とそれを追うサイコな暴力夫しかも刑事、という分かりやすいプロットである。シンプルでありがちだか例によって粘着質な書き込みで迫力を増すキング・メソッドによりページターナーぶりを発揮する。が、そこにいきなりフ . . . 本文を読む

21グラム

2008-11-05 21:16:19 | 映画
『21グラム』 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督   ☆☆☆☆   ベニチオ・デル・トロが出ている映画を観たくてDVDを購入。大傑作とは言わないが、なかなか見ごたえのある映画だった。渋くて重い。かなりメランコリックで気分が滅入る物語だけれども、スタイリッシュな映像と手法が静謐な美しさを醸しだしている。  タイトルの「21グラム」とは、人間が死ぬと体が21グラムだけ軽くなる、というホン . . . 本文を読む

架空の伝記

2008-11-02 09:30:46 | 
『架空の伝記』 マルセル・シュオブ   ☆☆☆☆☆  マルセル・シュオブの『架空の伝記』は渋澤龍彦が「いつか訳してみたいと思っている」みたいに言っていて結局訳さなかったことや、Amazonで検索しても見つからないことからずっと日本語訳がないものとばかり思いこんでいたが、古本データベースで調べたらこの大濱氏が訳した本が出てきた。絶版になっていたのである。ただし古本で入手は可能だ。あー何ということだ . . . 本文を読む