『ダ・ヴィンチ・コード』 ロン・ハワード監督 ☆☆★
ニュージャージーの映画館で土曜日に観てきた。封切りされたばっかりで混んでるんじゃないかと心配したが、さすが田舎の映画館、いつもより混んでいたものの余裕で真ん中の席に座れた。
原作は未読。多分細かい部分は分からないだろうなあと思っていたら、思った通り会話部分はかなりの部分が理解不能だった。それでレビューを書くなと言われそうだが、映画全体を理解できていればよしとすることにしている。そうでなければ米国の映画館で映画を観ることはできない。大体日本語字幕付きで観た日本の皆さんですら、原作を読んでいないと理解不能な部分が多いという評判なのである。
原作の膨大なディテールを無理やり二時間半にまとめましたという駆け足感が、原作を読んでいない私にすら伝わってくる映画だった。いやに展開が早い。そのせいで安っぽい感じがしてしまう。おまけに殺人が起こり、主人公が濡れ衣を着せられ、美女の協力を得て事件の真相を探り、片やサイコな殺人者が跳梁するという、大雑把に観ているとありがちなハリウッド映画の枠組みを一歩も出ていない。おそらくは様々な薀蓄が傾けられているに違いない会話をぼんやりとしか理解できない私のようなオーディエンスにとっては、なんともフツーのアクション/サスペンスとしか言いようがない。しかもアクションもサスペンスも大したことなく、そこはかとないB級感すら漂っている。いつもの通り、深みも陰影もないトム・ハンクスのキャラクターがB級感に拍車をかける。
『最後の晩餐』の中にマグダラのマリアがいるという説を映像付きで見せられたあたりでは、原作の面白さの片鱗を感じ取ることができた。さまざまなシンボルを解き明かしていく過程は面白い。しかしこういう面白さはやはり活字で最大限に堪能できるものであって、映画としてそれに頼り過ぎるのはどんなもんだろう。歴史の説明の際に、いちいちその説明を映像化した映像がつくのがまたダサい。
イエスの末裔が生きているというアイデアはさすがに素晴らしいと思う。クリスチャンではない私も、イエスの末裔の正体が明らかになるクライマックスでは鳥肌が立つ感じがした。奇想天外かつ荘厳なアイデアである。しかしこの映画では、その素晴らしいアイデアが充分に生かされていないと言うしかない。原作を読みたくなった。
ニュージャージーの映画館で土曜日に観てきた。封切りされたばっかりで混んでるんじゃないかと心配したが、さすが田舎の映画館、いつもより混んでいたものの余裕で真ん中の席に座れた。
原作は未読。多分細かい部分は分からないだろうなあと思っていたら、思った通り会話部分はかなりの部分が理解不能だった。それでレビューを書くなと言われそうだが、映画全体を理解できていればよしとすることにしている。そうでなければ米国の映画館で映画を観ることはできない。大体日本語字幕付きで観た日本の皆さんですら、原作を読んでいないと理解不能な部分が多いという評判なのである。
原作の膨大なディテールを無理やり二時間半にまとめましたという駆け足感が、原作を読んでいない私にすら伝わってくる映画だった。いやに展開が早い。そのせいで安っぽい感じがしてしまう。おまけに殺人が起こり、主人公が濡れ衣を着せられ、美女の協力を得て事件の真相を探り、片やサイコな殺人者が跳梁するという、大雑把に観ているとありがちなハリウッド映画の枠組みを一歩も出ていない。おそらくは様々な薀蓄が傾けられているに違いない会話をぼんやりとしか理解できない私のようなオーディエンスにとっては、なんともフツーのアクション/サスペンスとしか言いようがない。しかもアクションもサスペンスも大したことなく、そこはかとないB級感すら漂っている。いつもの通り、深みも陰影もないトム・ハンクスのキャラクターがB級感に拍車をかける。
『最後の晩餐』の中にマグダラのマリアがいるという説を映像付きで見せられたあたりでは、原作の面白さの片鱗を感じ取ることができた。さまざまなシンボルを解き明かしていく過程は面白い。しかしこういう面白さはやはり活字で最大限に堪能できるものであって、映画としてそれに頼り過ぎるのはどんなもんだろう。歴史の説明の際に、いちいちその説明を映像化した映像がつくのがまたダサい。
イエスの末裔が生きているというアイデアはさすがに素晴らしいと思う。クリスチャンではない私も、イエスの末裔の正体が明らかになるクライマックスでは鳥肌が立つ感じがした。奇想天外かつ荘厳なアイデアである。しかしこの映画では、その素晴らしいアイデアが充分に生かされていないと言うしかない。原作を読みたくなった。
別に興味もなかったんですが、子供たちが熱心にTVを観ていまして、私もついでに観ることになりました。
絵画の謎は知っていることが多かったので、まあ、どうってことはなかったんですが、マグダラのマリアのその後には驚きました。
小船で海を渡り、フランスへたどり着き、何もないような小屋で信仰に生きる。
うん?
ラーゲルクヴィストの巫女ではありませんか!
小船の旅はトーピアスみたい。
ダヴィンチ・コードに関係の無いところで興奮していました。
トゥルニエ「魔王」読みました。
凄かった。
コチラのレヴューにある「イデーの鏡」「海辺のフィアンセ」たちも良さそうですね。
マグダラのマリアのその後も面白いですね。それを描いた文学作品があってもおかしくないような。
トービアスといえば「アハスヴェルスの死」ですね。読ませていただきました。頭を整理して感想書いて送ろうと思ってますので、もう少々お待ち下さいませ。
「魔王」は読んだことないです。やっぱり凄いですか。代表作みたいなんで、読みたい気はするんですが、長いし高いんで、ちょっと二の足踏んでます。「海辺のフィアンセたち」いいですよ。短い断片的な散文集なので、そういうのが好きだったら。
レンタルですけど。
ショーン・コネリーが役にはまってましたよね。
図書館が焼け落ちるシーンは「ああ、もったいない!」と作り事なのに悲しかったです。
「薔薇の名前」のように、見つけ出された古い文書を本にしました、というような小説はいくつかありますね。
嘘か真か、だまされてみるのも一興。