『ヴェラの祈り』 アンドレイ・ズビャギンツェフ監督 ☆☆☆☆
ズビャギンツェフ監督が2007年に発表した二作目の映画、『ヴェラの祈り』を日本版ブルーレイで鑑賞。私はこの監督の映画は『エレナの惑い』がとても好きで『裁かれるのは善人のみ』はまあまあ、他は観ていない、という程度の初級ファンなのだが、この確信犯的にゆったりしたテンポ、計算し尽くされた精密な映像、ミステリアスで多義的な物語、という組 . . . 本文を読む
『女神の見えざる手』 ジョン・マッデン監督 ☆☆☆☆☆
Amzon Primeで一回観たが英語字幕付きでも話が良く分からず、しかし映画は面白かったので気になり、日本版ブルーレイを買ってもう一回観た。それでやっとストーリーが分かった。題材はロビイストという、一般人にはちょっとなじみのない職業で、ワシントンの政治の世界が舞台。要するに権謀術数の世界だ。世の中の動きの先を読み、大衆心理を読み、敵 . . . 本文を読む
『沈黙の戦艦』 アンドリュー・デイヴィス監督 ☆☆★
なぜか時々無性に観たくなるセガールの映画を手元に置いておきたいと思って、セガール映画が三本入ったお得なブルーレイ・パックを購入した。しかもその三つは『Above the Law』『Under Siege』『Under Siege 2: Dark Territory』と、セガールはこの三つあればオーケーという王道セレクション。これでもう安 . . . 本文を読む
『パッセンジャー』 モルテン・ティルドゥム監督 ☆☆☆★
日本版ブルーレイで鑑賞。SF映画である。『インターステラー』や『ブレードランナー2049』みたいなSFと比べると小粒感があって地味だけれども、個人的にはわりと好きなタイプの映画だった。これも前に紹介した『ガタカ』と同じように、昔の手塚治虫のマンガみたいな雰囲気のSFである。『ザ・クレーター』あたりに入っていても違和感がないストーリー . . . 本文を読む
『マイレージ、マイライフ』 ジェイソン・ライトマン監督 ☆☆☆☆
Netflixで鑑賞。何の予備知識も期待値もなく、ただなんとなく観たのだが、これが思いのほか良かった。主演は最近私の中で好感度急上昇中のジョージ・クルーニー。なぜ急上昇中かというと、アンチエンジングはしない、だって人間死ぬか歳とるかどっちかしかないんだから、といって白髪染めもしないという態度に感服したからである。男らしいっス . . . 本文を読む
『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』 市川崑監督 ☆☆☆☆☆
Amazonで取り寄せた日本版DVDで鑑賞。1959年の作品である。若尾文子、京マチ子、野添ひとみと女優陣は『婚期』と同じだが、監督は吉村公三郎ではなく市川崑。船越英二が出ているのも『婚期』と同じだし、若尾文子といつもコンビを組んでいる川口浩もやっぱり出ている。というわけで俳優陣は既視感バリバリなのだが、ここで効いているの . . . 本文を読む
『三度目の殺人』 是枝裕和監督 ☆☆☆☆
日本版ブルーレイで鑑賞。大好きな是枝監督の新作であり、しかも役所広司出演の裁判もの。どんな内容か全然知らなかったが、これは買うしかないだろうということで購入した。
で、結果は満足できた。大傑作とまでは言わないが、十分に再見に耐えるし、むしろ再見することで味わいを増していくタイプの映画だと思う。一応「法廷サスペンス」ということになっているが、これ . . . 本文を読む
『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』 ライアン・ジョンソン監督 ☆☆☆☆
去年映画館で観たエピソード8を、iTunesのレンタルで再見。今回は英語字幕付きで観たので、映画館で良く分からなかった細かい部分がよく分かった。ふーむ、こういう話だったのか。『ブレードランナー2049』のところでも似たようなことを書いたが、一体お前は何年アメリカに住んでいるんだって話ですね。
さて、本作は『フォー . . . 本文を読む
『コールガール』 アラン・J・パクラ監督 ☆☆☆★
1971年のアメリカ映画。主演は、ドナルド・サザーランドとジェーン・フォンダ。ちなみに邦題だとジェーン・フォンダ演じるコールガールが主役みたいだが、原題は「Klute」で、ドナルド・サザーランドの役名である。ともあれ、主人公は探偵と娼婦、与えられたミッションは失踪者の捜索、舞台は70年代のマンハッタンといかにもノワールな道具立てだが、この . . . 本文を読む
『わたしは、ダニエル・ブレイク』 ケン・ローチ監督 ☆☆☆☆☆
日本版DVDで鑑賞。2016年のパルムドール受賞作である。主人公のダニエル・ブレイクは妻に先立たれたやもめの大工で、心臓病と診断され働けなくなったため、政府の支援金で暮らしているが、ある時突然審査ではねられ、支援金をもらえなくなる。医者からは働くことを止められているので抗議の申し立てをしようとすると、理不尽なお役所手続きや杓子 . . . 本文を読む