『チャイナ・シンドローム』 ジェームス・ブリッジス監督 ☆☆☆☆★
1979年のアメリカ映画を、日本版DVDで鑑賞。出演はジェーン・フォンダ、マイケル・ダグラス、ジャック・レモン。初見だったが、こんな面白くてスリリングで力のこもった映画を見逃していたかと驚いた。原子力発電所の事故とそれを隠蔽しようとする大企業という硬派な題材だが、題材の硬さに負けることなく実に優秀な娯楽スリラーになり得てい . . . 本文を読む
『未来よ こんにちは』 ミア・ハンセン・ラヴ監督 ☆☆☆☆☆
Netflixで観て気に入り、日本語字幕でもう一度観たいと思って日本版ブルーレイを購入した。二度観てもやっぱり傑作だと思う。ただ、非常に淡々とした映画なのでピンと来ない人は来ないかも知れない。緊密なプロットや劇的なストーリーで観客を惹きつける映画と淡々としてつかみどころがない映画があるとしたら、この映画は後者である。
主人公 . . . 本文を読む
『クライング・ゲーム』 ニール・ジョーダン監督 ☆☆☆☆
Netflixで鑑賞。1992年公開のイギリス映画である。公開当時私はもう渡米していたが、日本ではこの映画はある「驚愕の秘密」を売り物として宣伝されたらしい(アメリカでどうだったかは知らない、公開当時にはこの映画の存在を知らなかったからである)。私も日本人の友人からそれを聞いて、あとでレンタルビデオで鑑賞した記憶がある。そして宣伝通 . . . 本文を読む
『Big Sick』 マイケル・ショウォルター監督 ☆☆☆☆★
Amazon Primeで鑑賞。聞いたことない名前のパキスタン人が主演の、なんだか地味そうな映画だったのだが、やたら評価が高いので観てみた。無料だし。そしたら非常に良くてびっくりした。世間の評価というのも侮れないものである。ウィキペディアによれば、映画批評サイトRotten Tomatoesでも異様に評価が高く、批評家支持率は . . . 本文を読む
『美しい星』 吉田大八監督 ☆☆
日系ビデオ屋のレンタルDVDで鑑賞。三島由紀夫の原作は未読。出演はリリー・フランキー、中嶋朋子、亀梨和也、橋本愛、佐々木蔵之介、その他。気象予報士一家のメンバーがそれぞれ自分が異星人(火星人、金星人、水星人)だと「覚醒」する話。気象予報士(リリー・フランキー)は地球を救おうとし、長男(亀梨和也)は議員の事務所で働き、長女(橋本愛)は金星人の子供を妊娠する。 . . . 本文を読む
『ブレードランナー2049』 デニ・ヴィルヌーヴ監督 ☆☆☆☆
去年映画館で観た時は話がよく分からなかったので、iTunesのレンタルで再見した。あの伝説的な名作の続編ということで、評価も色々と割れているようだ。私の感想は、かなり頑張っているし悪くはないけれども、やはり前作よりは劣るなあ、というものだ。
前作『ブレードランナー』の第一の魅力はなんといってもあの壮麗なビジュアルだったが、 . . . 本文を読む
『ローサは密告された』 ブリランテ・メンドーサ監督 ☆☆☆★
米国版DVDで鑑賞。話し言葉が英語でなくフィリピン語だと気づいたのは買った後だったが、まあセリフは簡単なものが多いのでノープロブレムだ(私は英語以外の言語の映画はなるべく日本語字幕で観たい人なのである)。一言で言うと、ドキュメンタリー風トラブルものである。国も文化も違うが、手法としては『サンドラの週末』『The Lesson』な . . . 本文を読む
『女は二度生まれる』 川島雄三監督 ☆☆☆☆★
『不信のとき』に続いて若尾文子先生出演作品をDVDで鑑賞。1961年公開。これも『不信のとき』に匹敵する面白さ、完成度の高さだった。こちらは堂々たる若尾文子の単独主演である。
「みずてん芸者」という言葉はこれまで知らなかったが、芸がなくて男と寝ることで生計を立てる芸者のことだそうだ。若尾演じる小えんはこのみずてん芸者で、色んな男に天真爛漫 . . . 本文を読む
『不信のとき』 今井正監督 ☆☆☆☆★
1968年公開、田宮二郎主演映画『不信のとき』をDVDで鑑賞。またどろどろのB級サスペンスかな、と思って観たらこれはかなり高品質だった。田宮二郎演じる浅井は商事会社宣伝部のサラリーマン。そこそこ出世もし、美人で社会的地位もある妻(書道の先生)にも恵まれ、子供がいないことを除けば取り立てて不満のない生活を送っていたが、ある時バーのホステスと関係を持って . . . 本文を読む
『沈黙 -サイレンス-』 マーティン・スコセッシ監督 ☆☆★
Amazon Primeで鑑賞。原作は既読。あの重苦しく息苦しい原作をスコセッシ監督がどう料理したか気になったので、かなりの鬱映画だろうなと覚悟しつつ観た。主演はアンドリュー・ガーフィールドと最近あちこちで見かけるアダム・ドライヴァー。日本人俳優も多数出演している。
上映時間も3時間弱と長く、重厚なドラマなので体力を必要とす . . . 本文を読む