『哀しみのベラドンナ』 山本暎一監督 ☆
私は手塚治虫のアニメ『クレオパトラ』が大好きで、昔はポニーキャニオンのビデオを持っていたが、虫プロ・アニメラマDVDボックスなんてものが出たので喜びいさんで買った。『クレオパトラ』の他に『千夜一夜物語』『哀しみのベラドンナ』が入っている。さて、『クレオパトラ』を美しい映像でたっぷり楽しみ、『千夜一夜物語』は期待外れ、『哀しみのベラドンナ』は観る気が . . . 本文を読む
『アズールとアスマール』 ミッシェル・オスロ監督 ☆☆☆☆☆
フランスのアニメ。日本版DVDを買って鑑賞。まーとにかく映像が綺麗。圧倒的な映像美、とはまさにこのこと。一つ一つの場面をプリントして額に入れて壁に飾りたくなる。緻密だけれどもひたすらリアリズムじゃなく、シンメトリックで独特の装飾性に溢れた構図。まるでマチスのような影がない平面性、光源がどこにあるのか分からない光の偏在性。そしてな . . . 本文を読む
『千と千尋の神隠し』 宮崎駿監督 ☆☆☆☆☆
日本版DVDで再見。何度観ても大傑作。現時点で宮崎駿の最高傑作はどれかと聞かれたら私は本作に一票。ちなみに日本版DVDは色が赤みがかっていると物議をかもしたようだが、私の持っているDVDは問題ない。修正されたのだろうか。
この映画は宮崎駿版『不思議の国のアリス』だ。異界に迷い込む少女というモチーフが同じだし、さまざまな超現実的なイメージやエ . . . 本文を読む
『怪~ayakashi~化猫』 中村健治監督 ☆★
『時をかける少女』がとても良かったので他にもアニメが観たくなり、評判が良さそうだったこのDVDを買った。これは映画ではなくてテレビ番組だったらしい。画面のサイズもシネスコ・サイズではなくテレビサイズだ。
で、かなり期待していたのだが、完全な期待はずれだった。久々の大幻滅。大きく膨らんだ期待が開始15分ぐらいでキリモミ降下していく。
. . . 本文を読む
『時をかける少女』 細田守監督 ☆☆☆☆★
ネットで非常に評判が良いので日本のDVDを購入して鑑賞。いやー、これはいいっすね。胸の奥に甘酸っぱいものがこみ上げてきます。もう一度十代に戻りたいです。ただ私の場合高校は男子校で全然色気なかったんで、大学時代がいいです。大学デビューですみません。
まず、なんといっても映像がきれい。私は普段あまりアニメは見ないが、最近はもうこんなことになっちゃ . . . 本文を読む
『ベルヴィル・ランデブー』 シルヴァン・ショメ監督 ☆☆☆☆☆
日本版DVDを購入して鑑賞。いやーびっくりした。素晴らしいなんてもんじゃない。フランスという国の奥の深さを思い知らされた。
アニメは日本が最先端、と何となく思っている日本人も(私を含め)多いと思うが、こういうアニメを見せられると不安になってくる。なんというか、画面からにじみ出る余裕とセンスが桁違いなのである。映像、音楽、ス . . . 本文を読む
『天空の城ラピュタ』 宮崎駿監督 ☆☆☆☆☆
もはや黒澤明と並ぶ世界的な日本人映像作家、宮崎駿の傑作である。アメリカのDVDストアではこれまで『Princess Mononoke(もののけ姫)』『Spirited Away(千と千尋の神隠し)』程度しか見かけなかったが、最近『Nausicaä of the Valley of the Wind(風の谷のナウシカ)』やこの『Cast . . . 本文を読む
昨日の続き。
『イノセンス』のDVD特典で押井守監督とジブリの鈴木敏夫が対談していて、なかなか面白い。押井守監督が宮崎駿の批判をしている。
簡単に言うと、宮崎駿はキャラクターの喜怒哀楽を通して何事かを語ろうとするが、押井監督はそれは危ういと考える。なので感情のない人間達の映画といわれるものができる。それの何が悪いんだ、と監督は言う。
それからまた、最近のアニメーターは人間の動きをちゃん . . . 本文を読む
『イノセンス』 押井守監督 ☆☆☆★
DVDを購入して鑑賞。公開時に映画館で観たので二度目だ。最初に観た時は完全に失敗作だと思ったが、今回見直してみるとわりと良かった。初めて観た時と違って期待がなかったこと、欠点に対して心構えが出来ていたこと、それから家のモニターで観るとサイズが小さいので映像の美麗さがより際立って見えること、などが理由だと思う。
とにかく、映像の美麗さは素晴らしい。音 . . . 本文を読む
『どろろ』 手塚治虫原作 ☆☆☆★
手塚治虫のアニメである。子供の頃テレビでやっていたのを見た記憶があり、その妖しい雰囲気にひかれてマンガも買った。マンガでは主人公の百鬼丸がアニメより子供っぽく、可愛い感じに描かれていたので違和感を持った覚えがある。しばらく前にDVDのBOX SETを買った。
まず、モノクロである。総監督の辻井ギサブローによると、赤い血がバーッと出るのが気持ち悪いとス . . . 本文を読む