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アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

忘れられたスター

2008-05-29 20:21:14 | 刑事コロンボ
『忘れられたスター』   ☆☆☆☆  刑事コロンボ第32作目、そして第五シーズンのファースト・エピソードである。『ハッサン・サラーの反逆』のところでも書いたように、この第五シーズンではすべてのエピソードが「いつもと違うコロンボ」というコンセプトで制作された。この『忘れられたスター』の「いつもと違う」部分はもちろん、コロンボがついに最後まで犯人を逮捕しない、ということである。コロンボが犯人を逮捕で . . . 本文を読む

第三の終章

2008-05-17 13:52:53 | 刑事コロンボ
『第三の終章』   ☆☆☆★  シリーズ第22作目。シリーズ第1作『構想の死角』の犯人役ジャック・キャシディ再登場である。しかも殺すのはまた作家。「もっとシリアスな作品を書きたい」と自分から離れていくのを保険をかけて殺す。『構想の死角』そのまんまだ。最後の詰めのシーン、コロンボのいる部屋に入っていく犯人を警官が見送る、という演出も同じで、似ているのではなく明らかにわざと似せてある。これもコロンボ . . . 本文を読む

もう一つの鍵

2008-05-03 15:03:27 | 刑事コロンボ
『もう一つの鍵』   ☆☆☆★  刑事コロンボ七つ目のエピソード。『二枚のドガの絵』の次である。派手だった『二枚のドガの絵』に比べると地味なエピソードだ。トリッキーな大技はなく、トラップもなく、最後の決め手も非常にシンプル。全体にこじんまりした印象。だけど私は結構好きなエピソードである。  まず、偽装過失殺人というのが珍しい。ベス・チャドウィックは専制的な兄ブライスに抑えつけられる生活に耐えら . . . 本文を読む

ハッサン・サラーの反逆

2008-04-18 20:22:18 | 刑事コロンボ
『ハッサン・サラーの反逆』   ☆☆☆  刑事コロンボ第33番目のエピソード。シーズンで言うと第5シーズンということになるが、宝島社の『刑事コロンボ完全捜査記録』によれば、第5シーズンの6作はすべてというコンセプトで制作されたらしい。なかなか興味深い。ちなみに6つのエピソードを順にあげると、『忘れられたスター』『ハッサン・サラーの反逆』『仮面の男』『闘牛士の栄光』『魔術師の幻想』『さらば提督』。 . . . 本文を読む

溶ける糸

2008-04-06 10:47:41 | 刑事コロンボ
『溶ける糸』 ☆☆☆  コロンボ15作目。今回の犯人役はミスター・スポックことレナード・ニモイ。私はスター・トレックをほとんど見たことないので、スポックってどんな奴なのか良く知らないが、アメリカ人にとっては常に沈着冷静で頼りになる典型的キャラらしい。そういうゲストが犯人役でコロンボと対決するということでテンション上がるエピソードらしいが、知らない私にとっては単なる顔の長いおっさんである。  さ . . . 本文を読む

二枚のドガの絵

2008-03-29 10:44:01 | 刑事コロンボ
『二枚のドガの絵』 ☆☆☆  コロンボ・シリーズの中でも人気の高いエピソード。その理由は何と言ってもあの鮮やかな結末にある。私も子供の頃最初に観た時は、派手な決め手に「おおっ!」と興奮したものだ。しかし何度も見返しているとちょっと雑というか、奥行きが感じられないエピソードのように思えてくる。だから個人的にはさほど高評価ではない。  まあざっと説明すると、美術評論家のデイル・キングストンは恋人の . . . 本文を読む

歌声の消えた海

2008-02-16 20:44:45 | 刑事コロンボ
『歌声の消えた海』 ☆☆☆★  刑事コロンボ29作目。このエピソードはコロンボが休暇で豪華客船に乗っている時に起こるという、いつものパターンから外れてポアロものみたいな本格ミステリ・ムードを漂わせた企画ものである。殺されるのは女性歌手。もちろん庶民派のコロンボが自費で豪華客船の旅をするわけもなく、くじ運の強いカミさんがラッフルで当てたということになっている。  したがって全篇企画ものらしいお遊 . . . 本文を読む

死者の身代金

2007-12-21 20:08:05 | 刑事コロンボ
『死者の身代金』 ☆☆☆☆  刑事コロンボ二作目。『殺人処方箋』に続く作品で、シリーズ化される前のパイロット作品。だからシリーズ第一作の『構想の死角』の一個前のエピソードということになる。パイロットなので、オープニング・クレジットの文字がシリーズ・エピソードと違ったり、シーンが変わる時いつも画面が滲むようになる、などあちこちで違いが見られる。『殺人処方箋』とこの『死者の身代金』は他のエピソードに . . . 本文を読む

構想の死角

2007-12-05 18:11:02 | 刑事コロンボ
『構想の死角』 ☆☆☆★  コロンボTVシリーズ第一作目。コロンボ作品としては『殺人処方箋』『死者の身代金』に続く三作目だが、『殺人処方箋』は単発作品、『死者の身代金』はパイロット版ということで、シリーズ作品としてはこれが最初ということになる。  とにかく、このエピソードの今となっての最大のウリはあのスティーヴン・スピルバーグ監督作品ということだろう。もちろんまだ無名時代、スピルバーグも20代 . . . 本文を読む

逆転の構図

2007-02-08 19:14:16 | 刑事コロンボ
『逆転の構図』 ☆☆☆★  コロンボ旧シリーズ中期の佳作で、一番脂の乗り切った頃の作品といっていいだろう。コロンボ・シリーズの中でも派手なエピソードだ。  派手な理由はまずプロット。かなり凝っていて、しかもスリリング。キビキビと無駄なく展開する。写真家ガレスコが妻を殺し、殺した後に誘拐を偽装する。そして前科者のダシュレーに罪をなすりつけ、ダシュレーも射殺する。ダシュレーを共犯に使っておいて裏切 . . . 本文を読む