『策謀の結末』 ☆★
『別冊宝島 刑事コロンボ完全捜査記録』という本を入手した。新旧シリーズをカバーし、撮影裏話やそれぞれの監督、脚本家の特徴、各エピソードの細かい突っ込みどころなどを満載したコロンボ・ファンにはたまらない本だ。コロンボ・シリーズへの愛情が伝わってくる内容で、イラストも充実している。この本を熟読すると当然ながらそれぞれのエピソードを観たくなるわけで、とりあえずこの『策謀の結末』 . . . 本文を読む
『ビデオテープの証言』 ☆☆☆
今回はエレクトロニクスを駆使してくる犯人が相手である。監視カメラが設置された屋敷で、そのシステムを逆手にとってアリバイに利用する。コロンボは犯人の侵入経路やら何やらで例によって突っ込むが、犯人のハロルドはああ言えばこう言うでなかなか尻尾をつかませない。
このハロルドを演じているのはオスカー・ウェルナーという俳優さんで、私は良く知らないがトリュフォー映画で有名 . . . 本文を読む
『野望の果て』 ☆☆☆☆
今回は議員候補者が犯人。自分を狙った犯人に間違えられたように偽装して、優秀だが横暴な選挙参謀を殺害する。犯人役はジャッキー・クーパー。『スーパーマン』で編集長役をやっていた人だ。
傑作エピソードの一つである。しかもコロンボ・シリーズの王道を行く傑作である。何が王道かというと、まず推理が細かい。犯行現場の灯りについてチマチマ分析し、論破されたと思ったらさらに弾道と結 . . . 本文を読む
『別れのワイン』 ☆☆☆★
コロンボの最高傑作という人もいるエピソードだが、私はそこまでとは思わない。同レベルのエピソードは他にもあるし、何と言っても『殺人処方箋』の方が上である。ただし佳作であることは間違いない。
ワイナリーを経営するエイドリアン・カッシーニが犯人。このカッシーニはワインに人生を捧げたエキセントリックな男で、まずこの男の造形が光っている。ワインに対するピュアな愛情と、微妙 . . . 本文を読む
『二つの顔』 ☆☆
久々にコロンボのDVDを引っ張り出して観た。これはかなり初期のエピソードだが、それにしては大して面白くない話だ。
始まりは悪くない。舞台は富豪の豪邸、主人の結婚前夜。結婚相手は孫といってもいいほどの若い娘、屋敷にいるのは弁護士、いがみあっている双子の甥、そして長年勤めている家政婦。いかにもこれから一波乱ありそうな雰囲気が満ちていて、黄金期の本格ミステリを思わせる。
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『刑事コロンボ 権力の墓穴』 ☆☆☆☆
コロンボの上司が犯人である。上司の権限を最大限に悪用し、コロンボの捜査を邪魔しようとする。殺人のやり方もなかなか凝っていて、最初はロス警察次長ヘルプリンの友人が妻を殺害、その偽装工作をヘルプリンが引き受ける。なんておせっかいな奴なんだと思って見ていると、今度はヘルプリンが妻を殺し、その偽装工作を無理やり友人にやらせる。強制的な協調体制である。
本作は . . . 本文を読む
『刑事コロンボ 指輪の爪あと』 ☆☆☆☆
ネタばれありですので。
犯人は探偵社の社長。依頼人である新聞社経営者の妻を浮気をネタにゆすったところが、逆にばらされそうになって殺してしまう。コロンボシリーズの一つのパターンとして、証拠がない時にコロンボが犯人にトラップをしかけ自らボロを出させるというのがあるが、本作はその典型的なパターンであり、トラップの鮮やかさ、カッコ良さではシリーズ中随一 . . . 本文を読む
昔NHKでやってた頃から『刑事コロンボ』は大好きで、ちょっと前にコンプリートDVDボックスを買ってしまった。ほとんどは観た事があったが、これで好きな時に好きなエピソードを観る事ができる。ありがたいことだ。時々取り上げてレビューを書いていこうと思う。
『刑事コロンボ パイルD-3の壁』 ☆☆★
これはピーター・フォーク自身が監督した一本。残念ながら傑作とは言いがたい。
最大の欠点は、途 . . . 本文を読む