『攻撃命令』 ☆☆
旧シリーズ44作目にして、最後から二番目のエピソードである。そして『美食の報酬』に続き、またしても最後に犯人がコロンボを殺そうとするエピソードでもある。
犯人が刑事であるコロンボを最初の犯行と同じ手口で殺そうとすることのばかばかしさは『美食の報酬』のところで散々書いたので、繰り返さない。当然本作もまた駄作ということになるが、『美食の報酬』よりはまだいい。なよなよして . . . 本文を読む
『美食の報酬』 ☆★
刑事コロンボ42番目のエピソード。『死者のメッセージ』の次、旧シリーズ全体の最後から4番目である。ピーター・フォークもかなり老けた感じがする。鬢のあたりに白いものが目立つ。
今回の犯人はなんだかなよなよした料理評論家。こいつは自分のネーム・バリューを利用し、レストラン批評で手加減してやるかわりに経営者たちから金をせびっているというろくでもない奴だが、この脅迫に応じずは . . . 本文を読む
『5時30分の目撃者』 ☆☆☆★
刑事コロンボ31個目のエピソード。これはなかなかいい出来だ。犯人のコリアー医師はイイ男だが悪辣きわまりなく、とても憎たらしい。精神科医でありながら自分の患者であり、恋人でもあるナディアを保身のために殺害してしまう。それも彼女の自分への信頼を利用して。医者の風上にもおけない奴だ。おまけに女たらし。最後のコロンボに呼び出される場面でも異様に高飛車、かつ嘲笑的で . . . 本文を読む
『死の方程式』 ☆★
刑事コロンボ八つ目のエピソード。うーん、久しぶりに観てみたが、全然見るべきものがない。旧シリーズ中ワースト1、2を争う作品だと思う。いいところがあるとしたらまあ、初期コロンボっぽい洒落た音楽と雰囲気ぐらいだ。とにかく脚本が雑で、コロンボの推理がほとんどない。なんでも短時間で急遽でっちあげられたエピソードで、脚本を練る時間が充分なかったらしい。いけませんなあ。『刑事コロンボ . . . 本文を読む
『死者のメッセージ』 ☆☆☆
刑事コロンボ41個目のエピソード。これは旧シリーズ最終の第7シーズン開幕作で、最後から5番目ということになる。
話としてはずばりダイイング・メッセージもので、金庫に閉じ込められて死んだ男が奇妙な痕跡を残している、さてそのココロは。という謎が最初から呈示され、その解決がそのまま最後の決め手となる。しかしこのダイイング・メッセージはあまり気がきいたものではなく、物 . . . 本文を読む
『ホリスター将軍のコレクション』 ☆☆★
刑事コロンボ五つ目のエピソード。人気が低い作品らしいし、確かに初期コロンボ・シリーズにしては物足りないが、個人的には必ずしも嫌いでもない。派手なトリックや推理はほとんどないが、独特の雰囲気がある。これはミステリというより心理ドラマである。しかも目撃者がほぼ主役という珍しいエピソードである。非常に変則的で、こういうパターンはシリーズ中これだけだと思う . . . 本文を読む
『魔術師の幻想』 ☆☆☆★
刑事コロンボ第36番目のエピソード。犯人役はもはや常連さんとなったジャック・キャシディ。
今回ジャック・キャシディはマジシャンである。グレート・サンティーニ。「水槽の幻想」という、鎖でぐるぐる巻きにされ水中に吊るされた箱の中から脱出するマジックが売り物で、この上演中にクラブのオーナーを殺す。ジャック・キャシディは『構想の死角』『第三の終章』でも犯人役を演じて . . . 本文を読む
『黒のエチュード』 ☆☆☆
刑事コロンボ10個目のエピソード。オーケストラの指揮者が犯人である。不倫の関係にあるピアニストに関係を公表すると言われて殺す。ひどい奴だ。
犯人役のジョン・カサヴェテスは『ローズマリーの赤ちゃん』に出ていた役者さんで、あの映画でもやっぱりひどい夫の役だった。しかしルックス的にはダンディでとてもかっこいい。
全体の出来はまあまあ。アレックスは犯行時にカーネ . . . 本文を読む
『断たれた音』 ☆☆☆
刑事コロンボ16番目のエピソード。今回の犯人はチェスの世界チャンピオン。
犯人が対戦相手を滞在しているホテルで殺すという状況なので、今回は犯人の自宅やオフィスの訪問はなく、ずっとホテルが舞台になっている。犯人のクレイトンはチェス名人ということで頭が切れ、抜群の記憶力の持ち主だが、一方で神経質で線が細く、耳が聞こえないというハンディキャップを背負っている。コロンボ . . . 本文を読む
『自縛の紐』 ☆☆☆★
刑事コロンボ26作目。第4シリーズ最初のエピソードである。犯人はフィットネス・ビジネスの社長マイロ・ジャナス。インチキ・フランチャイズで暴利を貪っているのを暴露されそうになり、フランチャイズのオーナーを殺す。
フィットネス・ビジネスが舞台ということでいつにも増してカリフォルニア的な明るさ漂うエピソードである。アメリカのテレビではいつもダイエットやフィットネス器具 . . . 本文を読む