崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

コピペ(copy-paste)

2019年07月18日 05時00分06秒 | 研究業績

 インターネット時代になって情報が便利になったのは言うまでもない。その利便性には問題点も多い。学生たちにネットを利用させながら授業をするとコピペが多い。その一つはコピペ(copy-paste)、つまり他人の文をコピーして貼り付けることである。私は自分自身の経験、考え方を強調し、明後日福岡での研究会ではそのことについても触れようと思っている。過去の多くの著名な学者もコピペが多かった。いわば資料集め、それはほぼコピペのものである。朝鮮戦争といえばただ新聞記事などの資料のコピペ、分厚い本を作って有名人になった。直接経験、体験に基づいて書いたものではない。私はまず自分の見聞と考え、自分の日記を読んで執筆を始める。『自叙伝人類学』Autobiography、マリノウスキー『未開人の性生活』を読んでいる。
 数人から県日韓親善協会連合会の機関誌の「ふれあい」への寄稿文「近い人・・・」に関するコメントが寄せられた。その一つ、「先生をバッシングした方がどなたで、心中お察しします。」

友人関係では「信」が大切だというお話、我が身を振り返って耳が痛いです。日韓関係に置き換えると、民間では「信」は生まれている一方で、政府間ではまだ生まれてないということでしょうか。最近の貿易を巡るやりとりを見ていても、官僚を含めて日韓互いに大人げないやりとりに正直暗然とする思いです。トランプ流の分断政策が各地で蔓延し、またそれが一つの戦略として結果的に追認されてしまっている現状は相当に深刻で悩ましいです。ただ、それを受け入れる要素が私たちの中にあるからこそ広まっているという現実を見つめ直す必要があります。考えの異なる人の発想を理解しないことには、意見を変えさせることもできないでしょう。どうやって理解できない人の考えを理解するか、そして意見のかけ離れた人にどうやって話を聞いてもらうのか。ここ数年ずっとその問題が頭を悩ませていますが、答えは見えてこないです……。