「楽しい韓国文化論」のお知らせ
吉留徹(人類学ミュージアム副館長)神竿と稲作「幟」-柱・樹木との関わり、幟幡を用いた祭り-下関市忌宮神社の数方庭行事について語る。
下関市長府忌宮神社において、毎年8月7日~13日の間、社殿西側境内にある「鬼石」を抱え立て、女性はキリコ(切籠)を持って回る行事。→『映像資料』「長府數方庭祭幟舞の由來」、「仲哀天皇の代に朝鮮より渡来した塵輪が態襲を扇動し、豊浦の宮を襲撃し、助麻呂高麻呂兄弟を射殺した。天皇は尋常の夷ならずと弓を執り、塵輪を射討ちし熊襲を征伐した。世人は塵輪の屍を見て怪しき鬼というので、これを埋めて石を覆い「鬼塚」と称す。これにより毎年七月七日皇軍旗をかついで舞う。もし数方庭の神事ができない場合は天災地変がおこる。
Ⅰ精霊を招魂鎮魂するための念仏踊という説→近藤清石・小川五郎
Ⅱ韓半島の蘇塗系農耕行事の影響/風鎮祭が変容したという説→国分直一・伊藤彰「鳥竿」(崔吉城「韓国における鳥竿」)
Ⅲ八幡信仰・神功皇后伝承を背景とする安産・子育て信仰という説 →宮崎敬義