有名な作家との対談の冒頭に「芥川賞作家」という「肩書」に乗って生きるのかから始まった。彼女はそれはいわば新人賞的であり、始まりであり作家として継続して活動をすることが大切であるという趣旨で話が進んだ。しかしデビューの時からプライバシー侵害ということ、裁判までなっていく過程のことに触れた。小説はフィクションでありながらリアリティがあるのでそれを混同する問題は常にある。それは法律との戦いでもある。私はD.Hローレンスの「チャタレー夫人の恋人」が裁判になったが、今は話題性もないことを例にした。「在日韓国人2世」という存在は彼女の文学においてどんな意味があるのかと問い、2世、3世・・・民族性はだんだん薄れていくという。ある評論家が言ったように「在日朝鮮人文学から在日文学」へという発言に私はそれは普遍的な文学へと評価した。そして彼女の主な重いテーマである命、死などに関する討論を深めた。その中で自殺について日常に乗って生きることを否定して自殺した太宰治、肯定的な生命倫理とのバランスを問ってみた。彼女はその時代から人生観も変わっているという。成熟の意味で理解できた。ほぼメディアには報じられず90人を超える参加者が彼女のお話に魅了されていると感じた。