崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「乱場ナンジャン」

2012年08月27日 05時36分28秒 | エッセイ
下関・釜山ふれあいステージ「日韓文化交流公演2012」を観覧した。日韓のチームの「馬関騎兵隊」と「韓国伝統音楽」が交差するように進行され日韓文化の対比が明らかにした。日韓の政治家たちのいがみ合いとは対照的に日韓が仲良く友好を深めていきましょうと、日本語と韓国語での紹介、特に釜山外語大学生は韓国語より日本語の方が上手く面白く、いかに日本語を練習したかが伝わってきた。全体ではリズミカルな音楽と踊りが主であった。
 最後の伝統的な楽器の横笛、縦笛、胡弓、杖鼓と現代楽器のコラボレーションはそれぞれ名演奏ではあったがドラムが終始強くリード、ハーモニーより総合騒音化した印象であったのが残念であった。
 韓国の伝統音楽ではただの騒音ではなく乱場ナンジャンとうクライマックスにいたらなければならない。イントロ、口承、音律、踊りなどに楽器は伴奏とし、次第に楽器たちの調和音楽、その調和を破り壊して騒音のような激しい轟音や踊りに昇華し「乱場パン」になるのが音楽文化である。昨日の韓国伝統音楽は最初から乱場だけを強調されたあまり、観客がそれに乗るのではなく、騒音のように感じたのである。日本人は韓国音楽はうるさいという印象を越えて、「乱場ナンジャン」が鑑賞できるようになればと期待する。