崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

沖縄の弟子から

2012年08月24日 04時51分00秒 | エッセイ
数年ぶりに沖縄の喜屋武君から電話が来た。彼は10年ほど前広島大学学部時代の私のゼミ学生であった。地元の新聞社に勤めている。数年前下関にも訪ねて来たし、私が沖縄を訪ねたときに会った。新聞社社会部の記者と結婚して子供が生まれた時にはお祝いを送った覚えがある。「元気かい、子供は大きくなったの、奥さんも元気なの」と、普通の親子関係のように通話。「奥さんも元気なの」という普通の会話が途切れた。彼は言った。「今その人の告別式が終わったばかりです」と。癌と闘病2年半で亡くなったということである。冥福を祈り、子供の養育などの心配の言葉が続き、通話は終わった。昔は卒業生たちが結婚、子供の誕生などの知らせが多かったが、彼の奥さんの死亡の知らせはあまりにも早かったが、死亡のニュースが入るほど私も歳をとったのである。私の師弟関係も古くなったのである。先日ある古い弟子から私の死後処理に関する質問があって、何にも答えられなかった。私には加齢に伴う死が自然現象だという真理がまだ受け入れられていないのではないか、反省中である。