崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「日本に住みたい」

2012年08月22日 05時43分41秒 | エッセイ
日韓関係の緊張している中、韓国釜山市立近代歴史博物館をゆっくり観覧した。韓国唯一の日本植民地を展示しているところだが数回目の観覧になる。日本人の若い女性も観覧していた。私は映像やナレーションも慎重に聞いた。入り口のKBSLIVEで「独島(竹島)の今」を固定中継画像を見せている。今の日韓関係の緊張の表れである。植民地史を充実に展示しながら表題やナレーションなどでは日本の「強制占拠」「収奪」などの言葉で説明されている。映像では写真と実物の証言を合わせて「挺身隊」「従軍慰安婦」に関して物語る。ボランティアの案内者の柳氏(1933年生)とは面識があり、親切に説明してくれた。この博物館の展示を観覧しながらイギリスのブリストルの植民地博物館を思い出し、これらの博物館は事実を客観的に展示するという趣旨とは異なる印象を受けた。博物館とは多く帝国主義の宣伝道具であったことを考える、それを前提にしてみるべきであるとは思っても違和感を感じた。
 ビートル船で福岡に帰国したが客はほぼ日本人であった。着いた船着き場を歩きながら欄干や歩道、建物、水道の蛇口などが新鮮に感じた。タクシーにのり清潔感と親切さが韓国より優雅だと感じた。日本が変わらなければいけないと散々聞かされてきたがある程度「日本はまだ先進国である」と以前に書いたとおりである。日本を知っている人が「日本に住みたい」という気持ちが分かった。