崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

広島大学で集中講義を終えて

2012年08月08日 06時16分10秒 | エッセイ
今度の集中講義ではほぼ広大の校内で宿食をした。昨日平日火曜日にはオプーンキャンパスで駐車場毎に大型バス、市内バスなどが満員、交通整理など混雑していた。私が在職中には見学などはあっても学生募集にこれほどのお祭り風の行事はなかった。国立大学も宣伝募集するようになった。学生は減っているという。学生が減ることによって戦前の小人数エリート教育とは逆に質が低い小人数になるのではないかと心配である。極端に言うと将来この調子で学生が減っていくと特殊教育に過ぎなくなるかもしれない。大型大学はビジョンを以て小人数教育の先取りをすべきであろう。人口減少と戦っていくより先に募集人数を減らして質を保つことである。
 私は講義の質を下げないように「植民地文化論~植民地映像の分析~」の日程を終え、夜帰宅した。初めに映像人類学の<映像分析方法>ではテキスト( J.Monaco)紹介、映像や画像を見て考える講義をした。 1919年オランダ植民地のインドネシアで撮った映像「Toraja」、1925年日本植民地朝鮮でドイツ人が撮った映像「静かな朝の国」そして「愛と誓い」「海の生命線」「北進日本」「朝鮮地方」「志願兵」「朝鮮海峡」「兵隊さん」「虱は怖い」を以て製作の目的は何か。宣伝、宣教、研究、ドキュメンタリー、プロパガンダを検討した。中国人、チベット人、日本人の学生との議論だった。これで私の大学の前期日程は終わった。そして夏の本番、花火大会を迎える。