崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

逆インタビュー

2012年01月25日 05時52分25秒 | エッセイ
 昨日ある方からインタビューされた。文学少年から民俗学、シャーマニズム研究、そして植民地研究へと私の研究の流れを突っ込んで質問が続いているなか私は逆に彼自身に関心が生じ、質問したくなった。彼は生まれ、教育、ここに存在していることなど内緒の話も含めてしてくれた。インタビューという公的なことから親しくなって、現地調査や取材も一緒にしょうと約束もをした。
 仕事はほぼ「知」的なことであるが、人と人の心を動かす人間関係は「感」的なものである。朝鮮王朝の時の代表的な儒教学者の李退渓と李栗谷は理(知)と気(感)、すなわち知識と感情の重要さをそれぞれ主張した。その「理気論」は今言い換えると理気が調和した人間関係論といえる。私はそれが理想的な人間関係と思う。日本人の人間関係には理が優先し、「気」が弱く、ドライな関係と感じられる。おそらく気が強くなると正しい判断が難しく思うからであろう。