崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

謹賀新年

2012年01月01日 06時29分35秒 | エッセイ
 
昨日から今日までの時間の本質は変わりない。しかし大晦日と正月は大きく異なる。時間の流れに節目を付けたのは人類文明の基礎であるからである。「旧」から「新」への変化を改めて意識する新年の正月の朝である。目が覚めてインタネットを開くと中国と韓国の弟子たちからの新年のあいさつのメールが届いていた。昨日はふた家族の訪問、いただいたブリの刺身で満腹した。
 離散家族の再会のように帰省ラッシュが報じられている中、一人で過ごす人も多かっただろう。「帰省」現象は人間の絆を確認し、励ましあう行動かもしれない。歳をとるにつれて人は孤独になるのは自然な社会現象である。孤独に対する態度は集団主義社会と個人主義社会において異なる。個人が主体的な存在であるという「孤独文化」は日本に定着していないかもしれない。孤立が必ずしも孤独ではない
 昨夜NHK紅白歌合戦を初めて真面目に鑑賞した。例年友人や留学生たちと一緒に楽しんできたが家内の都合で、夫婦だけの年越しになった。「紅白」は昔に比べて大きく変化した。マイクルジャクソン風の影響を大きく受けている西洋の真似のような流行が感じられた。古くは演歌が中心であったが、今度は歌と振付のコンビのものが主流であった。歌をよく聴くためには目を瞑った時も多く、時々映像を写真で撮りながら楽しんだ。その主流のさなかにちょっと違ったアメリカからレディー・ガガ(Lady Gaga)氏の映像が視線を引いた(写真)。彼女は振付だけではなく、ピアノや鏡などを利用しながら劇的なパフォーマンスを入れて歌ったのである。振付けからパフォーマンスへ、新しい企て、創造力が見えた。後にこの創造の芸術をまた真面目に真似して流行するだろうという予感がした。