崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「人間を作る」教育

2012年01月22日 05時10分13秒 | エッセイ
 昨夜NHKで長時間日本のリーダーシップに関する討論会を聞いた。目下私が「日本文化論」を講義していて、胸にぐっとくる言葉が多かった。出演者はほぼ日本の教育など日本的なことに否定的であった。日本的な教育は多様性、積極性、発信力がないと非難していた。日本的な経営を適用して世界的な企業を成功させた韓国のサムスンの例が紹介された。
 敗戦直後の日本人論は否定的、その後、高度成長期には肯定的な日本人論に変わっていった。日本が高等成長した時は日本は世界一、JAPAN AS NO.1ともいわれた。日本文化や教育はそれほど変わっていなくとも日本に対する態度は経済成長をみて否定的、あるいは肯定的になる。それは世論を反映することであって深い研究理論ではない。青木保氏の理論を読んでほしい。
 私は日本の教育は改革されなければならないと思っている。日本は「日本人を作る」教育から「人間を作る」という普遍的な教育に改革する必要があると思うからである。「私は素人だ」(謙遜?)と言った防衛大臣が辞職したのを見て、日本的なものが何か分からなくなった。