崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「良い患者さん」

2010年11月11日 05時40分10秒 | エッセイ
 先日東大のガンシンポの時、永六輔氏が「良い患者さん」の条件の10項目を言った。時間を守る、医師に服従、人に病気について言わない、待合室で病院や医師に不満を言わないなどいろいろである(右端が永氏)。私は演壇の上で彼に質問した。韓国では「病気を自慢せよ」といい、病気を隠せず人に言って、聞いた人が一緒に心配してそれぞれ効果があると言う薬を教えてくれる習慣がある。「このような患者は悪い患者ですか」といって議論になった。
 昨日毎月ごとに病院に行く日であった。家内と通ってから病院の方とも親しみを感ずるようになった。時間を守り、池田先生を尊敬し、不満に感じたこともない、病院に不満を言ったこともない。昨日はインフルエンザ予防注射を受けた。受ける前に十数項目にチェックする。そして本人の署名蘭にサインした。大げさとも感じ、注射に抵抗感を持っている自分を思いながら受けた。以外に簡単に終わった。感謝した。
 私は「良い患者さん」と思う。若い時、医療によって命を助けていただいたことからか医師や看護師には尊敬心を持っている。昔の医師は聖職者として患者を子供扱い、患者とは上下関係であった。しかしインフォームドコンセントという患者を尊重するようになってずいぶん変った。医療行為や治験などの患者が治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け理解した上で (informed) 、方針に合意する (consent) ことである。「医師に不満を言わないといけない」(永氏著『大往生』)時代になった。医療訴訟も多くなった。日本の医療が質高いと言うことは医術だけではなく、優しい介護など人間尊重であることを実感している。