崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

地方から発信を

2010年11月05日 06時05分32秒 | エッセイ
 ある新聞社から二人の新しく着任した記者が挨拶に訪ねてきた。また外部企業の代表などとも面談した。私は地方から中央へ発信する態度をお願いした。政府も地方へ交付金を出すという話が流れているように地方の活性化が必要である現在の日本に、地方の意識改造が必要である。地方の大学も教職員の意識改造が必要である。伝統的に田舎は田園風景のある純粋なイメージがあるが、何時の間にか都会から地方への流れに乗って住み着いている人が多くなっているが、心は地方に愛着はなく、批判、非難、嫉妬、噂に慣れてしまい、健全な意見には皮肉に笑うグループを作り地方開発の病巣になっている。その病巣は治すか切り取らなければならない。
 私は教育はソウルと東京で受けたが、職場は常に地方である。地方は情報量が少ない反面人間関係が濃く、楽しい。しかし一方では都会から職を求めてきた者たちがそこに心から定着していない現状も見てきた。「単身赴任型の浮遊層」が地方発展に邪魔な病巣になるものも多いことを痛感している。以前私が勤務した職場でその切り取って活性化を図ったことで発展を成し遂げたことを思い出す。地方活性化のためにはそれらを吸収し、調和協力へ努力するか、切り取るかの判断に迫られていると思う。政府は交付金など標語的轟々ではなく、意識構造改革へメスを入れるべきである。