崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

金剛山歌劇団公演

2010年11月16日 05時40分52秒 | エッセイ
 韓国語弁論大会の審査の翌日ソウル大学の李順炯教授一行を下関港で迎え、在日韓国人が多く密集して住んでいるグリーンモールの商店街を歩いた。韓国食品店、韓国衣装店、舞踊教習所などの人に挨拶をしながら案内した。そのコースで朝鮮会館に寄り総連の委員長と話をし、朝鮮学校を訪ね校長の案内で授業参観もした。忌宮神社では能の仮面の展示を観覧し、日清講和条約の展示も案内した。昼休みを我が家でとり、私が北朝鮮で撮った映像を見せた。夜は食事せず金剛山歌劇団公演(写真)2時間半も観覧した。ほぼ毎年観覧するので懐かしい顔もいた。
 韓国からの来客に北朝鮮一色の案内になった。韓国人に朝鮮総連関係をこの程度見せることができたのはつい最近のことである。朝鮮半島の南北の緊張関係が続いた戦後、長い間、韓国人が朝鮮総連の人と会うことは禁止されていた。私が留学するときはそれだけで韓国で捕まった人も多かった。その政治的な距離は未だに残ってはいるが、民主化が急テンポで進んだ韓国では改善されて昨日のように総連関係に触れることができた。日本はこのような朝鮮半島の緊張関係を中和させる位置にあるが、それができず日本自体が北朝鮮を敵対している。むしろ中国が南北関係の仲介の役割を果たしている。いま日本の外交の失敗が非難されているが、日本人の性格からはかなり難しいと思われる。