崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

アイルランドの国立墓地へ

2008年09月16日 04時26分45秒 | エッセイ
 昨日雨の中,バスを一時間も待っても来なかった。今朝、国立墓地へ行く途中フィングラスFinglasで乗り換えするところの教会の中の様子を見たら葬式が行われている。霊柩車で棺を運搬して花を入れていて、20人ほどの人が見送っているが泣く人は一人もいないようである。私はバスに乗ってアイルランドの国立墓地Glasnevin Cemeteryへ向かった。正門の前で降りて、右側にある事務所でCasementの墓を聞いたら事務員がすぐ走ってきて、正門の真正面の近いところの下を指さしてくれた。国葬までされた人の墓とは思えないほど碑石や記念彫刻もない質素なものであった。私はしばらく彼の人生を想像しながら黙祷し、自分を誤解した人が彼のように50年後でも理解してくれるなら幸せだなと思った。そのうち、そばの教会へ先ほど見た霊柩車が止まっているので留意したら棺を教会の中に入れて扉を絞めてしまったのでそれ以上観察することはできなかった。広い墓を見回った。それぞれに個性のあるお墓である。当然自分の死を身近に感じて、今までの人生を振り返ってみた。