崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

観光一番は教会

2008年09月15日 00時52分26秒 | エッセイ
ヨーロッパを回ってみると観光一番は教会と感ずる。建物の観光が多い。その中では教会は建物自体が高く特異な建築様式になっており、また古く建てたものが多いので尋ねる観光客が多い。ダブリンでは最も古く、1191年に建てられたセントパトリック大聖堂の日曜礼拝に参加できた。ちょうど感謝節の礼拝であり、賛美歌が豪華で美しく、心に残る礼拝であった。午前11時15分から1時間10分かかった礼拝ではよく祈ることができてよかった。しかし信者らしい人は数人しか座っておらず、十数人の聖歌隊がはいった。私のような観光客が50人ほどいたが信者の席に座わった。献金は週報でみてもわずかであった。1000年近い教会に出席信者が十数人しかいない。したがって観光収入から教会を管理維持しているようである。
 アイルランド人はイギリス植民地から独立しようと反抗を起のこして、特に1916年には悲劇的な犠牲者を出した。その中にはアイルランドのダブリンで生まれで、北アイルランドのベルファストで育ってイギリス植民地官僚としてアフリカ、ラテンアメリカで勤務し大きな業績を残したケースメントRoger Casementがいる。しかし彼はアイルランドの独立運動をしたということで大逆罪treasonとしてイギリスロンドンで処刑された。彼は母国のアイルランドではイギリス植民地主義者であったので彼の処罰にはそれほど反応がなかった。しかし50年ほど後、彼は国際的に貢献した人でもあり、アイルランドの独立の基礎になった人であると評価されるようになった。彼の遺骨はダブリンの国立墓地に移葬されている。ここでその墓を探して黙祷をささげるのがもう一つの目的でもある。