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琉球と沖縄:沖縄の文学(12)

■旧暦9月22日、木曜日、のち珍しく天気予報どおりの一日だった。午前中に、洗濯物を干し、お昼には取り込む。夕方、床屋。さっぱりした。

(写真)沖縄の名護市にあるゴルフクラブ。ゴルフクラブは、リゾートホテルと並んで、沖縄開発の一つの象徴と思われる。県内には、宮古、八重山も含めると、40箇所もゴルフクラブがある。本島では、北部に13箇所、中部に8箇所、南部に13箇所と、ほぼ、まんべんなく分布している。




耳と波上風景

               山之口貘


ぼくはしばしば
波上(なんみん)の風景をおもい出すのだ
東支那海のあの藍色
藍色を見おろして
巨大な首を据えていた断崖
断崖のむこうの
慶良間島
芝生に岩かげにちらほらの
浴衣や芭蕉布の遊女達
ある日は竜舌蘭や阿旦など
それらの合間に
とおい水平線
くる舟と
山原船の
なつかしい海
沖縄人のおもい出さずにはいられない風景
ぼくは少年のころ
耳をわずらったのだが
あのころは波上に通って
泳いだりもぐったりしたからなのだ
いまでも風邪をひいたりすると
わんわん鳴り出す
おもい出の耳なのだ


山原船阿旦。見たことのない風景だが、なんだか、懐かしい。時間がゆっくり流れているような、自分の中の海を見ているような。
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