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Cioranを読む(88)


■旧暦12月23日、月曜日、、藪入

(写真)冬の月

終日、仕事。午後、買い物など。




Diogène, dit-on, aurait été faux-monnayeur.---Qui ne croit pas en la vérité absolue a droit de tout falsifier.
Né aprés Jésus Christ, Diogène eût été un sait. Où pourvoient mener notre admiration pour les Cynique et deux mille ans de christianisime? A un Diogéne tendre.
Platon a nommé Diogéne <un Socrate fou>. Difficile de sauver Socrate.
Cioran Le Crépuscule des pensées pp. 7-8 Le Livre de Poche 1991

ディオゲネスは贋金つくりだったと言われている。絶対的真理を信じない者には、あらゆるものを偽造する権利がある。
キリストの後に生まれていれば、ディオゲネスは聖人になっていただろう。われわれがキニク派を賛美し、2000年に及ぶキリスト教を振り返るとき、いったいどこへ導かれてゆくか。心やさしきディオゲネスへ、である。
プラトンは、ディオゲネスを「狂ったソクラテス」と呼んだ。ソクラテスを救い出すのは、難しいのである。


ディオゲネスという人物は、非常に面白い。さすがは、シオラン、いい人に目をつける。プラトンやアリストテレスの同時代人ながら、その思想や生き方は、彼らとは正反対。日本の俳諧師に近い。目的定立的な行為に労働の特色を観たアリストテレスやヘーゲル、マルクス、ハルトマン、ルカーチといった系譜とは別に、そこから零れてしまう領域に立った初めての人かもしれない。無償・無目的・無意味を肯定的に捉えた初めての人ではなかろうか。元祖遊び人、元祖ホームレス、元祖風狂人。ディオゲネスの系譜は、いろいろな変奏を経て現代まで脈々と続いている。アリストテレスの系譜はとても偉大な系譜だと思うが、ディオゲネスの系譜に、なんだか、とても愛着を覚えるのは、ぼくだけだろうか。





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一日一句(291)






鉄を切る音を近くに冬ごもり





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