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北と南(12):落鷹

■旧暦12月17日、木曜日、、大荒れの天気。

このところ、ドイツの俳人のAngelika Wienertさんが、ドイツ語版、英語版ともに読んでくれて、いろいろ意見や情報を教えてくれた。ぼくの方も、初等ドイツ語でどうにか対応し、いい勉強になった。Angelikaさんは、ご自分のブログhaiku-shelfで英語とドイツ語の俳句を発表している。易しい言葉で書かれているので、ご興味のある方は読まれたい。丁寧で親切なお方である。

今日は、猛烈に風が冷たかった。しかし、夕方、筋トレに赴いたのだった。リハビリという感じで、軽いメニューを30分強こなす。ハードな運動をすると、耳に来るのである。トレーニングセンターに行く途中に、お地蔵さんが何気なく立っているスポットがある。ある晴れた午後、そこを通りかかると、初老の男性がじーっと地蔵の表情を見つめている。そのとき初めて、地蔵の存在に気づいたのだが、今日は、ぼくもじーっと見てみた。なんと言うか、笑いを誘う表情をしている。今日は写真を撮り忘れたのが残念である。

(写真)Untitled




落鷹(おちたか)


十月九日寒露の頃になると、本州の差羽の群れが沖縄に南下してくる。沖縄本島上空を通過し、宮古島を中継地としてさらに南方のフィリピン方面に渡っていく。渡りの途中に飛ぶ力を失くした老鳥や幼鳥、病鳥は群れから落伍して宮古島などで冬を越す。これが「落鷹」(ウティダカ)である。


落鷹のこゑ諾へり暁の闇
    眞榮城いさを

日暮れには日暮れの高さはぐれ鷹
    津波古政信

高木に留まり、野鼠や小動物を捕獲して食し、越冬して、三月下旬頃、九州方面に北上する。なかにはそのまま、島にいついてしまうものもあるという。

※ 宮坂静生著『語りかける季語 ゆるやかな日本』(2006年 岩波書店)より

■なんだか、哀れ深い季語だと思う。



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