『僕と僕の母様』 目次
第 1 回・第 2 回・第 3 回・第 4回・第 5 回・第 6 回・第 7回・第 8 回・第 9 回・第10回
第11回・第12回・第13回・第14回・第15回・第16回・第17回・第18回・第19回・第20回
第21回・第22回・第23回・第24回・第25回・第26回・第27回・第28回・第29回・第30回
第31回・第32回・第33回・第34回・第35回・第36回・第37回・第38回・第39回・第40回
第41回・第42回・第43回・第44回・第45回・第46回・第47回・第48回・第49回・第50回
第51回・第52回・第53回・第54回・第55回・第56回・第57回・第58回・第59回・第60回
第61回・第62回・第63回・第64回・第65回・第66回・第67回・第68回・第69回・第70回
第71回・第72回・第73回・第74回・第75回・第76回・第77回・第78回・第79回・第80回
第81回・第82回・第83回・第84回・第85回・第86回・第87回・第88回・第89回・第90回
第91回・第92回・第93回・第94回・第95回・第96回・第97回・第98回・第99回・第100回
第101回・第102回・第103回・第104回・第105回・第106回・第107回・第108回・第109回・第110回
第111回・第112回・第113回・第114回・第115回・第116回・第117回・第118回・第119回・第120回
第121回・第122回・第123回・第124回・第125回・第126回・第127回・第128回・第129回・第130回
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以降は カテゴリ 又は 最近記事より お入り下さるようお願い致します。
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僕と僕の母様 第146回
学校から帰って そのままリビングのドアを開けると テーブルの上に 大きな封筒と小さな封筒が 並んで置いてあった。 母様はソファーに座って こっちを見ている。
「合否発表きたわよ、開けてないわよ」 母様は僕を 見ているようだが 僕は封筒だけを 見ていた。
「見れば分かる。 開けなくても 内容は分かる」 そう言いながら リビングの中に入り テーブルまで 歩いて行った。
大きい封筒なら 色んな案内書が 入っていて 合格。 小さい封筒なら「不合格」 と書いた紙一枚が 入っていて 不合格。 まさにその2パターンの封筒が 目の前にあるのだ。
その上封筒には その学校のパンフレットと同じように それと一目で分かる 学校名の書き方、学校色があるので 遠目から見ても どちらの学校が 大きい封筒で どちらの学校が 小さな封筒か分かるのだ。
しっかりと 第一希望が 小さな封筒だった。 早い話第一希望が すべって第二希望・・・いや、滑り止めが 合格したのだ。
これが逆だと 喜べたし あの通学時間のことで 嬉しい悩みも持てたのに・・・全く喜べない自分が ここにいる。 封筒を開けた。 やっぱり思った通りだった。
「一つ受かって 良かったじゃない」 覗き込んでいた母様が そう言ったが きっと母様も 封筒の大きさで 分かっていたのだろう。
「良くない」 だってそうだろ。
「何言ってんの、これで二つとも落ちてたら それどころじゃないのよ」 呆れたように 言ったきたが 簡単に 納得できるものじゃない。
「それはそうだけど」 納得できない。 頭の中で 納得できる方法を 探していた。
「でしょ。 はい、喜んで喜んで」 僕を盛り上げようとするが それは無理な話だ。
「ここにチェーンメールを 送ってやろうか・・・」 小さい封筒に 書いてあるアドレスを 見ながら言った。
「バカじゃない、完全な逆恨みじゃない。 ああ、情けない」 せっかく 納得できる方法を 探したのに バカと言われてしまった。
僕は何日か 落ち込んでいた。
翌日、学校から返ってきた僕に 母様が言った。
「陵也、先生にちゃんと報告した?」 昨日、学校に行ったら担任に 合否の報告をするように 言われていたのだ。
「聞いてこないから 言ってない」 正確には 言いたくない。 まだ落ち込んでいるんだ。
「なんでよ ちゃんと滑りましたと 受かりましたって 言わなきゃ」 その言葉 すごくキツイんですけど。
「先生は 今就職の方で 頭が一杯だから 進学の方まで 気にかけていられないの」 本当なんだ。 毎日廊下を 走ってるんだ。
それからも しょっちゅう母様に言われたので 仕方なく 廊下を走っている先生と すれ違いざまに 後頭部に叫んだ。
「先生、試験結果 出ましたから」 少し大きめの声だ。
「おおそうか、どうだった」
「一つ落ちて 一つ受かった」
「何だその報告の仕方? それよりお前 何処受けたっけ?」 なんて担任だ。 そんなにクラスの人数も いるわけじゃないのに ちゃんと覚えておけよ。 これ以上滑った、滑ったって 言いたくないのに バカ!
でも仕方のないことだ キチンと報告しておこう。 第1希望が何処で 第2希望が何処でと 学校名も言ってから
「第一希望が滑って 第2希望が受かりました」 そう言ったら
「そうか、あれ? えっと 結局どっちが落ちたんだ?」 2つのことも 覚えられないのか! それに落ちた方を 聞くんじゃない! あと一度言うが もう二度と言わないからな。 ちゃんと書いておけ!
ある日唐突に キッチンに立っていた母様が
「陵也、言い忘れてたけど あなたアルバイト探して 始めなさいよ」 洗物をしながら そう言い出した。
「何で? あんなに今まで やっちゃいけないって 言ってたじゃない」 夕飯を食べ終わったばかりの僕は 今食べたものが 口から出てきそうなくらい 驚いた。
「何言ってんの。 あんなに やりたい、やりたいって言ってたじゃない。 やりなさいって言うんだから 嬉しいでしょ。 それに もう進学も決まったんだし 自分のお小遣いくらい 自分で稼ぎなさい」 話の展開が早すぎる。
「いや、やれって言われたら そんな気が失せるって言うか・・・」
「何をウダウダ言ってんのよ 早く探して始めるのよ。 わかった? ああ、それとそのお給料で 原付の免許も 取りに行くのよ」 そんなに次々と 言われても・・・ あんなにバイトも 原付の免許を取る事にも 反対をしていたのに 今までと正反対のことを 当たり前に言われて 僕の気持ちの収集が 出来ないじゃないか。
次の日から 商店街の中を 歩きながら 求人募集に 仕方なく 目をやっている僕がいた。
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学校から帰って そのままリビングのドアを開けると テーブルの上に 大きな封筒と小さな封筒が 並んで置いてあった。 母様はソファーに座って こっちを見ている。
「合否発表きたわよ、開けてないわよ」 母様は僕を 見ているようだが 僕は封筒だけを 見ていた。
「見れば分かる。 開けなくても 内容は分かる」 そう言いながら リビングの中に入り テーブルまで 歩いて行った。
大きい封筒なら 色んな案内書が 入っていて 合格。 小さい封筒なら「不合格」 と書いた紙一枚が 入っていて 不合格。 まさにその2パターンの封筒が 目の前にあるのだ。
その上封筒には その学校のパンフレットと同じように それと一目で分かる 学校名の書き方、学校色があるので 遠目から見ても どちらの学校が 大きい封筒で どちらの学校が 小さな封筒か分かるのだ。
しっかりと 第一希望が 小さな封筒だった。 早い話第一希望が すべって第二希望・・・いや、滑り止めが 合格したのだ。
これが逆だと 喜べたし あの通学時間のことで 嬉しい悩みも持てたのに・・・全く喜べない自分が ここにいる。 封筒を開けた。 やっぱり思った通りだった。
「一つ受かって 良かったじゃない」 覗き込んでいた母様が そう言ったが きっと母様も 封筒の大きさで 分かっていたのだろう。
「良くない」 だってそうだろ。
「何言ってんの、これで二つとも落ちてたら それどころじゃないのよ」 呆れたように 言ったきたが 簡単に 納得できるものじゃない。
「それはそうだけど」 納得できない。 頭の中で 納得できる方法を 探していた。
「でしょ。 はい、喜んで喜んで」 僕を盛り上げようとするが それは無理な話だ。
「ここにチェーンメールを 送ってやろうか・・・」 小さい封筒に 書いてあるアドレスを 見ながら言った。
「バカじゃない、完全な逆恨みじゃない。 ああ、情けない」 せっかく 納得できる方法を 探したのに バカと言われてしまった。
僕は何日か 落ち込んでいた。
翌日、学校から返ってきた僕に 母様が言った。
「陵也、先生にちゃんと報告した?」 昨日、学校に行ったら担任に 合否の報告をするように 言われていたのだ。
「聞いてこないから 言ってない」 正確には 言いたくない。 まだ落ち込んでいるんだ。
「なんでよ ちゃんと滑りましたと 受かりましたって 言わなきゃ」 その言葉 すごくキツイんですけど。
「先生は 今就職の方で 頭が一杯だから 進学の方まで 気にかけていられないの」 本当なんだ。 毎日廊下を 走ってるんだ。
それからも しょっちゅう母様に言われたので 仕方なく 廊下を走っている先生と すれ違いざまに 後頭部に叫んだ。
「先生、試験結果 出ましたから」 少し大きめの声だ。
「おおそうか、どうだった」
「一つ落ちて 一つ受かった」
「何だその報告の仕方? それよりお前 何処受けたっけ?」 なんて担任だ。 そんなにクラスの人数も いるわけじゃないのに ちゃんと覚えておけよ。 これ以上滑った、滑ったって 言いたくないのに バカ!
でも仕方のないことだ キチンと報告しておこう。 第1希望が何処で 第2希望が何処でと 学校名も言ってから
「第一希望が滑って 第2希望が受かりました」 そう言ったら
「そうか、あれ? えっと 結局どっちが落ちたんだ?」 2つのことも 覚えられないのか! それに落ちた方を 聞くんじゃない! あと一度言うが もう二度と言わないからな。 ちゃんと書いておけ!
ある日唐突に キッチンに立っていた母様が
「陵也、言い忘れてたけど あなたアルバイト探して 始めなさいよ」 洗物をしながら そう言い出した。
「何で? あんなに今まで やっちゃいけないって 言ってたじゃない」 夕飯を食べ終わったばかりの僕は 今食べたものが 口から出てきそうなくらい 驚いた。
「何言ってんの。 あんなに やりたい、やりたいって言ってたじゃない。 やりなさいって言うんだから 嬉しいでしょ。 それに もう進学も決まったんだし 自分のお小遣いくらい 自分で稼ぎなさい」 話の展開が早すぎる。
「いや、やれって言われたら そんな気が失せるって言うか・・・」
「何をウダウダ言ってんのよ 早く探して始めるのよ。 わかった? ああ、それとそのお給料で 原付の免許も 取りに行くのよ」 そんなに次々と 言われても・・・ あんなにバイトも 原付の免許を取る事にも 反対をしていたのに 今までと正反対のことを 当たり前に言われて 僕の気持ちの収集が 出来ないじゃないか。
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