大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第134回

2011年07月25日 13時45分44秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第134回



「何処の大学を お探しですか?」 ブティックの店員のような 感じではなく どちらかと言うと 店内を教えてくれる 案内係りのように 話しかけて来た。

「あ、何処ということは まだないんですけど・・・あの、こちらの大学は 音楽関係を 教えていらっしゃるんですか?」 突然話しかけられたのに 慌てることなく 人見知りの母様が答えた。 僕だったら 「あ、いや、その」 で終わってしまうだろう。

「残念ながら うちでは音楽は やっていないのですが 隣の部屋に 音楽関係の大学が ありますよ」 言ってしまえば 生徒の取り合いに なるだろうに 自分の所の大学の 話をするどころか 丁寧に笑顔で 教えてくれた。

「そうですか、行ってみます。 ありがとうございます」 そう言いながら会釈して 二人でその部屋を出た。

「どうする陵也 隣の部屋に行く?」 少し嫌そうな顔で 聞いてきた。

「なんか面接みたいだよね」 僕もこういうシチュエーションは苦手だ。

「うん お母さんこういう風なのは苦手だわ」 だよね。 

「じゃ、帰る?」 さぁ、母様は どう答えるだろうか。

「せっかく来たのに 帰るのもなぁ、うーん・・・どうしようか。 ・・・勇気出して 行ってみようか?」 そう来たか。

「話しするんなら お母さんがしてよ。 僕はイヤだよ 黙ってるからね」 絶対に嫌だぞ。

「分かってるわよ、お母さんは大人だもん。 ちゃんと出来るわよ」 今の状態、セリフ殆ど子供です。

そして二人して 隣の部屋に 入っていった。

この部屋も 色んな大学の 看板があった。

一応母様としては 説明を聞きたい大学は あったみたいなのだが その大学以外に 音楽関係の大学がないのかも 見に来たのだ。

そして 母様の目当ての学校の看板が そこにあったので

「陵也、あそこの学校なんだけど 説明聞きに行こうか?」 見てみると ズラッと何人も 説明を受けようと並んでいる。

「僕知らない」 上を向いた。

「無責任・・・どうしようかな・・・あんなに並んでるのか・・・あ、待ってよ 沢山並んでるっていうことは その分他の人の質問が 聞けるじゃない、って言うことは そこで誰かが何かを 聞いてくれて、その答えを聞いてれば いいだけじゃない。 そうすると 一応並んでおいて 自分で聞かなくても 色んな話が 聞けるって訳じゃない。 あとは知らない顔をして 立ち去ればいいわけだ。 あったま良い、良し行こう」 それの何処が大人だ。

僕と母様は その列の最後尾についた。 最初は立っていたが 段々と前が空き 詰めて行くと 椅子に座ることが出来た。

大学の説明をしている人が三人いて それぞれが 質問者に答えている。 一人が終わると そこの空いた席に 次の人が座るといった具合で その時になるまで どの人の説明を聞くのかは分からない。

母様は他の人の質問に 聞き耳を立てている。 僕はただボーっと 座っているだけだった。 

ふと気付くと 母様の前の人は どう見ても僕より年上だ。 それに一人で 来ているみたいだし なんか素人のミュージシャンっぽいと言えば それっぽい。

母様は必死になりすぎているようで 次の次は母様の順番になっているのに 気付いているのだろうか 立ち上がる気配がない。

そうしていると とうとう母様の前の 見た目ミュージシャンの男の人の 順番になった。 

僕はいったいどんな人なのだろうと 興味があったので 聞き耳を立てて聞いてみた。 

すると この大学志望の 二浪生のようなのだ。 二浪と言うことは 少なくとも僕より 二歳年上な訳で もしかしてそれ以上かもしれないのだ。 そこまでして この大学に入りたいのかと、感心してしまった。

そして質問の内容も すごく具体的だ。 その男の人も 気が済むまで 質問していたようだが とうとう隣の席が空いた。

早い話が 次は母様なのだが いったいどうするのだろうと思っていると しっかり説明者の前に座って 質問を始めたのだ。





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