大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第88回

2011年05月20日 13時21分21秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第88回



土曜日 危険物の試験日だ。


今朝もいつものように 母様に怒鳴られながら

「何で休みの日に 起きなきゃなんないんだ。 ・・・ああそうか 試験か・・・。」 と思いながら やっとの事で起きて 学校に向かった。

試験は学校であるのだ。

指定された教室に行くと 同じクラスの奴が一人いた。

他にも沢山いて 結構みんな受けるんだな と思って 同じクラスの奴に 話しかけてみた。

「よう、受けるの?」 

「ああ おす。 受けるさ 当たり前じゃん。」 当たり前なんだ。

「結構受けに来てるよね」 周りを見渡すように言った。

「ああ、ここにいる奴達 何回も滑ってるから 意地になってるんだよ」

「えっ、何回も受けてるの?」

「そうだよ、お前は初めてだよな。 今まで 見なかったもんな。 俺なんて 一年の時から 毎回受けてるよ」

「ウソ、そんなに難しいの?」

「どうだろう 運じゃない?」 運って・・・そりゃ 試験って運もあるだろうけど それだけじゃあないだろう。

これはもうダメだ。 僕には無理だ。 

そんなことを言っていても 時間は刻々と経っていく。 先生がやってきて 試験が始まった。

問題用紙が配られた。

一問でも解けるのだろうか。 そんな不安を抱きながら 問題用紙を見た。

それを目にした途端「何だこれは?」 という物だった。 

何処をどう考えれば良いんだ。 何を考えたら 答えが分かるんだ?

イヤ、そうじゃない。 何を考えたら 答えを間違うんだ? どうやったら 分からないんだ? 何回も滑っているという奴らは どうやって滑ったんだ? 

それとも 僕が基本的に 間違っているんだろうか? 

そんな感覚を持ちながらの 試験時間であった。

そして僕は僕なりに 勉強したことを思い出しながら 何とかやったつもりだが 結果は出てみないと分からない。

試験が終わって みんなは教室で話をしていたが 僕はすぐに家に帰った。


いつもの如く「ただいま」 「お帰り、どうだった?」 そんな会話が始まった。 僕はニッと笑って

「うーん、感触で言うなら 刀を持って 思い切り振り上げたら 切ったのは豆腐だった。 って感じかな」

「はぁ? 意味分からないんだけど」

「だからー、こうやって 刀を振り上げる。 そして切ったと思ったら それは豆腐だったって事」 ジェスチャー入りで 説明した。

「手応えゼロってこと?」

「そう」

「そうって、合格できるって事?」

「それは分からないけど あんなに勉強したのに その甲斐なく 簡単すぎたって感じ」

「へー、それだけ言って 不合格ならどうするの?」

「それはその時、運がなかったって事かな」 今になって 同じクラスの奴が言ってた「運」 と言うことがわかった。

「バカじゃない」 また言われてしまった。

思ったほど 後で落ち込むということもなく この日を終えることが出来た。





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