『僕と僕の母様』 目次
第 1 回・第 2 回・第 3 回・第 4回・第 5 回・第 6 回・第 7回・第 8 回・第 9 回・第10回
第11回・第12回・第13回・第14回・第15回・第16回・第17回・第18回・第19回・第20回
第21回・第22回・第23回・第24回・第25回・第26回・第27回・第28回・第29回・第30回
第31回・第32回・第33回・第34回・第35回・第36回・第37回・第38回・第39回・第40回
第41回・第42回・第43回・第44回・第45回・第46回・第47回・第48回・第49回・第50回
第51回・第52回・第53回・第54回・第55回・第56回・第57回・第58回・第59回・第60回
第61回・第62回・第63回・第64回・第65回・第66回・第67回・第68回・第69回・第70回
第71回・第72回・第73回・第74回・第75回・第76回・第77回・第78回・第79回・第80回
第81回・第82回・第83回・第84回・第85回・第86回・第87回・第88回・第89回・第90回
第91回・第92回・第93回・第94回・第95回・第96回・第97回・第98回・第99回・第100回
第101回・第102回・第103回・第104回・第105回・第106回・第107回・第108回・第109回・第110回
第111回・第112回・第113回・第114回・第115回・第116回・第117回・第118回・第119回・第120回
第121回・第122回・第123回・第124回・第125回・第126回・第127回・第128回・第129回・第130回
第131回・第132回・第133回・第134回・第135回
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僕と僕の母様 第137回
母様はそれから そこの大学をネットで調べて 僕に報告をしてきた。
どうも 音楽関係と言うよりかは 映像関係のようだ。 美術の腕が 必要みたいなのだが 美術は嫌いな方ではない。 それに ほんのちょっとの カリキュラムと言っても 音響ということに 興味がある。 どんなことをするかは 分からないが やってみたいという気持ちだ。
その上で 母様ご推薦の 音楽関係の大学を 本命にして ここの大学を 滑り止めにしよう ということに 決まったのだ。
後一週間で 夏休みというときに 三者懇談があった。
一年の時に 一度車で来てからは「もう二度と この学校には車で行きません」 と言っていた母様は 電車でちんたらとやって来て 教室の前で待つ 僕の前に現れた。
いつもの如く 懇談時間より大分前に 待ち合わせを していたので 僕の前の奴と その前の奴は まだ来ていない。
その時には 僕の順番の3人前が 懇談をしていたのだが 時間が予定より 随分とオーバーしていて 待ち時間が長い。
僕はあまり 母様と並んで 座っている姿を 人に見られたくないものだから
「ちょと向こうで 友達と話してくる」 と言ってその場を立った。
20分位経っただろうか もう良いだろうと 教室に戻ってくると さっきの奴は終わっていて 次の奴は 来なかったらしいので その次の クラスで一番成績のいい奴の 懇談に入っていた。
それにしても 話が丸聞こえだ。 母様も
「さっきから 話し丸聞こえなんだけど・・・先生声が大きすぎる。 でもこの子偉いわよ、お母さんの声 一言も聞こえないの 先生の受け答えを 全部自分で してるみたいなの」 感心している。
「そりゃ、こいつは クラスで一番の秀才だもん」 でもどうも 会話の風向きが 怪しいようだ。
奴の行きたいとしている大学に 先生が猛反対しているのだ。
「お前何を言ってるんだ お前は数3を 習ってないんだぞ。 ここの大学の入試には 数3が必要となるのに 受かるわけないだろうが。 お前の成績なら 他の大学でも 充分行けるんだから 他を探せ」 怒鳴っている 先生の声だ。
「分かってます。 でも一年の時から ここの大学に行きたくて 自分なりにちゃんと 数3の勉強はしてきました」 奴のこんなに大きな声は 初めて聞いた。
「自分なりって、そんなことで 合格できると思ってるのか。 塾へ行くなり なんなりして 勉強しているのならともかく お前が勉強しただけで 行けるような そんな簡単なものじゃないんだぞ」 奴の勉強姿は 休み時間にも良く見ていた。
「一日六時間は 勉強してきたんです」 そんな感じで 終わることのない会話が 続いていた。
何十分待っただろう、ようやく話が終わったようで 奴と奴のお母さんが出てきた。
見ると 奴のお母さんは 母様より年上の感じだったし どこかの優しい おばさんといった感じで あんな話の後なのに ニコニコしている。 母様と奴のお母さんが 軽く会釈をしていたが 奴は半分泣きかけになっていた。
僕の順番だ。 先生の前に 母様と二人座った。
「えっと、お前は確か進学だったな。 具体的に 何か決まってるのか?」 まださっきの奴との バトルの熱が 冷めない感じで 書類をめくりながら そう聞いてきた。
「音楽関係に 行こうかと 話してるんですが」 母様が割って入った。
「音楽ですか? 何かやっていたとか そう言うことですか?」 書類をめくる手が止まり 熱も急冷といった感じで そう聞いてきた。
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その上で 母様ご推薦の 音楽関係の大学を 本命にして ここの大学を 滑り止めにしよう ということに 決まったのだ。
後一週間で 夏休みというときに 三者懇談があった。
一年の時に 一度車で来てからは「もう二度と この学校には車で行きません」 と言っていた母様は 電車でちんたらとやって来て 教室の前で待つ 僕の前に現れた。
いつもの如く 懇談時間より大分前に 待ち合わせを していたので 僕の前の奴と その前の奴は まだ来ていない。
その時には 僕の順番の3人前が 懇談をしていたのだが 時間が予定より 随分とオーバーしていて 待ち時間が長い。
僕はあまり 母様と並んで 座っている姿を 人に見られたくないものだから
「ちょと向こうで 友達と話してくる」 と言ってその場を立った。
20分位経っただろうか もう良いだろうと 教室に戻ってくると さっきの奴は終わっていて 次の奴は 来なかったらしいので その次の クラスで一番成績のいい奴の 懇談に入っていた。
それにしても 話が丸聞こえだ。 母様も
「さっきから 話し丸聞こえなんだけど・・・先生声が大きすぎる。 でもこの子偉いわよ、お母さんの声 一言も聞こえないの 先生の受け答えを 全部自分で してるみたいなの」 感心している。
「そりゃ、こいつは クラスで一番の秀才だもん」 でもどうも 会話の風向きが 怪しいようだ。
奴の行きたいとしている大学に 先生が猛反対しているのだ。
「お前何を言ってるんだ お前は数3を 習ってないんだぞ。 ここの大学の入試には 数3が必要となるのに 受かるわけないだろうが。 お前の成績なら 他の大学でも 充分行けるんだから 他を探せ」 怒鳴っている 先生の声だ。
「分かってます。 でも一年の時から ここの大学に行きたくて 自分なりにちゃんと 数3の勉強はしてきました」 奴のこんなに大きな声は 初めて聞いた。
「自分なりって、そんなことで 合格できると思ってるのか。 塾へ行くなり なんなりして 勉強しているのならともかく お前が勉強しただけで 行けるような そんな簡単なものじゃないんだぞ」 奴の勉強姿は 休み時間にも良く見ていた。
「一日六時間は 勉強してきたんです」 そんな感じで 終わることのない会話が 続いていた。
何十分待っただろう、ようやく話が終わったようで 奴と奴のお母さんが出てきた。
見ると 奴のお母さんは 母様より年上の感じだったし どこかの優しい おばさんといった感じで あんな話の後なのに ニコニコしている。 母様と奴のお母さんが 軽く会釈をしていたが 奴は半分泣きかけになっていた。
僕の順番だ。 先生の前に 母様と二人座った。
「えっと、お前は確か進学だったな。 具体的に 何か決まってるのか?」 まださっきの奴との バトルの熱が 冷めない感じで 書類をめくりながら そう聞いてきた。
「音楽関係に 行こうかと 話してるんですが」 母様が割って入った。
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