大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第137回

2011年07月28日 13時27分16秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第137回


母様はそれから そこの大学をネットで調べて 僕に報告をしてきた。 

どうも 音楽関係と言うよりかは 映像関係のようだ。 美術の腕が 必要みたいなのだが 美術は嫌いな方ではない。 それに ほんのちょっとの カリキュラムと言っても 音響ということに 興味がある。 どんなことをするかは 分からないが やってみたいという気持ちだ。

その上で 母様ご推薦の 音楽関係の大学を 本命にして ここの大学を 滑り止めにしよう ということに 決まったのだ。



後一週間で 夏休みというときに 三者懇談があった。

一年の時に 一度車で来てからは「もう二度と この学校には車で行きません」 と言っていた母様は 電車でちんたらとやって来て 教室の前で待つ 僕の前に現れた。

いつもの如く 懇談時間より大分前に 待ち合わせを していたので 僕の前の奴と その前の奴は まだ来ていない。

その時には 僕の順番の3人前が 懇談をしていたのだが 時間が予定より 随分とオーバーしていて 待ち時間が長い。

僕はあまり 母様と並んで 座っている姿を 人に見られたくないものだから

「ちょと向こうで 友達と話してくる」 と言ってその場を立った。

20分位経っただろうか もう良いだろうと 教室に戻ってくると さっきの奴は終わっていて 次の奴は 来なかったらしいので その次の クラスで一番成績のいい奴の 懇談に入っていた。

それにしても 話が丸聞こえだ。 母様も

「さっきから 話し丸聞こえなんだけど・・・先生声が大きすぎる。 でもこの子偉いわよ、お母さんの声 一言も聞こえないの 先生の受け答えを 全部自分で してるみたいなの」 感心している。

「そりゃ、こいつは クラスで一番の秀才だもん」 でもどうも 会話の風向きが 怪しいようだ。

奴の行きたいとしている大学に 先生が猛反対しているのだ。



「お前何を言ってるんだ お前は数3を 習ってないんだぞ。 ここの大学の入試には 数3が必要となるのに 受かるわけないだろうが。 お前の成績なら 他の大学でも 充分行けるんだから 他を探せ」 怒鳴っている 先生の声だ。

「分かってます。 でも一年の時から ここの大学に行きたくて 自分なりにちゃんと 数3の勉強はしてきました」 奴のこんなに大きな声は 初めて聞いた。

「自分なりって、そんなことで 合格できると思ってるのか。 塾へ行くなり なんなりして 勉強しているのならともかく お前が勉強しただけで 行けるような そんな簡単なものじゃないんだぞ」 奴の勉強姿は 休み時間にも良く見ていた。

「一日六時間は 勉強してきたんです」 そんな感じで 終わることのない会話が 続いていた。

何十分待っただろう、ようやく話が終わったようで 奴と奴のお母さんが出てきた。

見ると 奴のお母さんは 母様より年上の感じだったし どこかの優しい おばさんといった感じで あんな話の後なのに ニコニコしている。 母様と奴のお母さんが 軽く会釈をしていたが 奴は半分泣きかけになっていた。



僕の順番だ。 先生の前に 母様と二人座った。

「えっと、お前は確か進学だったな。 具体的に 何か決まってるのか?」 まださっきの奴との バトルの熱が 冷めない感じで 書類をめくりながら そう聞いてきた。

「音楽関係に 行こうかと 話してるんですが」 母様が割って入った。

「音楽ですか? 何かやっていたとか そう言うことですか?」 書類をめくる手が止まり 熱も急冷といった感じで そう聞いてきた。





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