大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第17回

2011年02月13日 17時01分44秒 | 小説
僕と僕の母様 第17回



順平が僕を暗い人間だと誤解していたのも 仕方のないことで 確かに僕が中学の時親しくしていた友達は みんな大人しめだった。

今振り返ってみると 大人しいというより少し暗いかな。

仲間以外の人が近くに居たりすると 話す声もあんまり大きくなかったり、無言になったりしていた。 それと 僕から挨拶をしない限り 挨拶を交わすということも あんまりなかった。

ついでに言うと この挨拶という面で 僕自身も困っていたのだが 僕の家で遊ぶ時に「おじゃまします」 が言えなかったりしていた。 こういうところは 小さい頃から母様にイヤと言うほど教えられてきていて

「家の人にちゃんと聞こえる声で 挨拶はしなさい。 返事と挨拶は聞こえなければ 言っていないのと同じ事です。」

と、耳タコ状態で言われ続づけていただけに 僕自身が友達の家にいったときには 勿論きちんと挨拶はしていた。 それが当たり前に出来ていただけに 挨拶をしない友達を家に上げるときには 母様にとても気を使った。

勿論、母様が 何の文句を言うわけではなかったけども でも友達に挨拶をしてとも言えず それで僕が考えたのが 僕自身が自分の家に入るのに 白々しく「おじゃまします」 と言うことだった。

するとどうしてか分からないが そのうちに友達も 声は小さいけれど「おじゃまします」 と言うようになってくれた。 そんなときには 僕がリビングにヒョイと顔を覗き入れ

「今、おじゃましますと言って 上がってもらったからね」 なんて 挨拶をしてくれた友達を嬉しく思いながら まるで通訳のように母様に伝えていた。

でもその時は そのくらいの方が僕にとっては 心地よかったりした。

その友達たちは そのグループ以外とは喋らなかったけど 僕はあまり気にせず 他の友達とも話しかけられれば 教室で話したり 学校の行き帰りをたまにしていた。

その部分を 順平は知らなかったらしい。 だから本当に 暗いだけの人間と思っていたのだろう。

そんな友達関係を送ってきた僕の中で 順平は正反対の性格の持ち主だ。

順平は『初めて会う人』 という言葉を知らないらしい。 簡単にいうと人見知りなんて 順平の辞書には無いんだ。

その時初めて会った人にでもたくさん喋る。 そして心の底からの感動を込めて 感情豊かに会話を弾ます。

最初はビックリしたのと すごいと思ったのが同時に来た。 しかし思っただけで その先は何も考えられなかった。

それがだんだんと 一緒に学校から帰ったりする中で いろんな場面にその順平のすごさを 見せ付けられることとなった。

そんな順平が相手だから 親しくなるのに時間はかからなかった。 




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