大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第9回

2011年02月03日 15時06分59秒 | 小説
僕と僕の母様 第9回



自転車置き場が 僕と同じ一人を除き それぞれに違うので その連中とも改札を出て 左右に分かれた。

「じゃあね」 僕と同じ自転車置き場に行く友達がそう言った。 

「おう」 反対側に帰る奴が そう返事をした。 僕は軽く手を振った。

同じ自転車置き場に行ったのは 中学から仲が良くて 一緒に入学をした友達だ。



二人で駅の階段を降りて 数メートルも離れていない 自転車置き場に向かい 歩き出した。

「疲れた?」 そう聞いてきたので

「ずっと寝てたし、どちらかといえば首が痛い。 そっちは何してたの?」

「幼稚園と小学校の時に行った アスレチックあったじゃない? あそこまで行って遊んでた」

「あ、アスレチック覚えてたの?」

「覚えてるよ、でもあの時の僕らと同じで 幼稚園児が一杯いたから 思うようには遊べなかったけどね」

「何? 幼稚園児に遠慮して遊んでたの?」 自転車を 何処においたか捜しながら そう返事をすると

「最近の幼稚園児は 遠慮を知らない」 腕を組みながらそう言い、こちらも自転車を捜していた。

僕ら二人の置いている 自転車置き場は 無料なので すごい台数の自転車が 隙間無く止めてあるのだ。

酷いときには 止めてあった場所から かなり移動させられている時もあるので 自転車探しは 結構大変なのである。

駅の階段で別れた他の連中は 有料自転車置き場だ。 きちんと整理されていて 僕たちみたいに 探す必要はないのだろうな。

お互いに 自分の自転車を見つけると それぞれに自転車の方へ歩いて行った。

鍵を開けて 両横の自転車を倒さないように 狭い通路に自転車を 押して出していく。

「あーもう、こっちにくんなよ」 友達の声だ。 横の自転車が倒れ掛かってきたようだ。

僕はなんとか 他の自転車を倒すことなく 道路に出ることが出来た。

友達は まだ格闘している。

「お腹空かない?」 大きな声で 僕が聞いた。

「空いた、喉も渇いた」 やっと通路に出てこれた友達が 他の自転車を 気にしながらも お腹を押さえて 次に喉をさすりながら そう答えてきた。

「コンビニ寄ってかない?」 他の奴だったら 到底こんな風に誘えないが 中学からの仲のいい友達だから こうして誘えるのだ。

「行こう、行こう」 

「遠足用にって 二千円お小遣い貰ったから 一緒におやつ買おう」 この友達のお母さんと 母様は何度か会っていて お金の価値観も同じらしく お小遣いも二人とも同じ位なので こういう会話は 何気なくできる。

「俺も二千円貰った」 やはり同じ金銭感覚のようだ。

「何言ってんの うちのお母さんぬかりないよ ちゃんとお釣り返せって言ってたもん。 言ってみれば 全部使ってくるなって事じゃん。 二千円全部使えないよ」 僕の母様の方が一枚上手な事を言うと

「信じられない。 うちも同じ事言ってたよ」 やっぱり同じか。

「ホントにケチだよね、他の連中はお小遣いって 何万っていう単位だろ? こっちは千円単位だなんて 今時の高校生事情を 全然知らないんだから」 やっと道路に出てきた友達に 不服満々でそう言った。

「言えてる」 そうグチりながら 二人で自転車をこぎ出した。

コンビニに着いて 二人で話し合った結果、お釣りは返さなくては いけないけど お釣りの金額までは 指定されていないから たとえ十円でも返せば良いんだ と言うことで、有り金といっても 僕は殆ど二千円丸々残っているけども 友達は遠足の行き道で 既に1500円位の おやつを買っていて 残りが500円位だという。

お互いの持ち金を 殆どおやつやペットボトルに使って 二人で今日の話や学校の話し、母様達のケチケチぶりの 文句を言いながら 公園でおやつパーティーをした。

一時間ほどで 全部食べ尽くしてから「帰ろうか」 ということになり、また自転車をこぎ出した。




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