大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第110回

2011年06月21日 13時19分15秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第110回



「そう、そうか、そう言って貰えると 教えた甲斐があるよ、うれしいなあ」

「わあ、先生照れてるの?」

「何言ってるの、照れてなんか無いよ」 そう言って そいつの背中をポンと叩いたかと思うと「うわっ」 っと言う叫び声とともに そいつが数メートル滑って行って その先で転けていた。

「先生何するんですか 無茶しないでよ」 座り込んで 笑いながら叫んでる。

また工業科と 比べてしまうのだが こんな時転けた人間を 指さして笑うのが工業科だ。 しかし やっぱりここでも違っていた。 「大丈夫か?」 「一人で立てる?」 なんて優しい声をかけている。

インストラクターさんが 「ごめん、ごめん」 と謝っていたが 昨日の険悪な雰囲気とは正反対に こんな感じで 和やかにスタート地点に立った。

今回の坂は 昨日より幾分なだらかな気がするが 距離が相当長くなっているようだ。 昨日のように インストラクターさんの後について 僕達はジグザグに滑っていく。 昨日と違う点では カーブごとに全員でストップして 方向を変えていたのが 今回はそのままストップぜずに ボーゲンをしたままカーブをして また反対に滑っていくという感じで 何回かのカーブの先で 全員でストップだ。

ストップしたときに インストラクターさんが 目に付いた注意をしてくれる。

みんなも まだまだ思うように 滑れるわけじゃあないけれど 転けることなく 無難に滑れているのが楽しいようで

「先生、もうちょっと長く滑ってみたい」 とか「ストップするときに 先生みたいにシュって雪をはねさせたい」 なんて言いだした。

こんな意見が出たもんだから インストラクターさんも 今が上達のチャンスとでも思ったのか

「よし、それなら ちょっとスパルタでいこうか」 こんな事を言いだした。

そして坂を下りながら ボーゲンをするにも 少しでも足を狭めていくだとか カーブの時の 雪のはねさせ方とかを教えてくれた。

何本か同じリフトを 上っては滑って降りたりと リフトの乗り降りの怖さなんて 関係なくなってきた。 それにスパルタのおかげで みんな必死に滑っている。 楽しく滑るとかって言うより 無駄な時間なんてとりたくない 少しでも上達したい といった感じだ。

そのおかげで 僕も最初に比べて かなり上達したと思う。 しっかりと雪を跳ね上げて ストップしたり ボーゲンの時も かなり足が狭まってきた。

「よし、じゃあ今日は ここまでにして 明日は今日以上の滑りに仕上げる気持ちで 頑張っていこう」 インストラクターさんが そう言って今日の締めくくりをした。

民宿に帰ると すぐに昨日と同じように みんな騒ぎ始めた。 こいつ達は本当に 疲れというものを知らないのだろうか 不思議になってくる。 

昨日と同じように部屋に帰ると これまた昨日と同じように 部屋の隅に行き 昨日と同じ奴と会話をした。

「今日どうだった? リフトに乗った?」

「やっぱ乗らなかったよ お前達リフトに乗ったのって 気のせいじゃない?」 気のせい? コイツは何を考えてるんだ。 

気のせいなんかで リフトに乗るかって言うの。





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