『僕と僕の母様』 目次
第 1 回・第 2 回・第 3 回・第 4回・第 5 回・第 6 回・第 7回・第 8 回・第 9 回・第10回
第11回・第12回・第13回・第14回・第15回・第16回・第17回・第18回・第19回・第20回
第21回・第22回・第23回・第24回・第25回・第26回・第27回・第28回・第29回・第30回
第31回・第32回・第33回・第34回・第35回・第36回・第37回・第38回・第39回・第40回
第41回・第42回・第43回・第44回・第45回・第46回・第47回・第48回・第49回・第50回
第51回・第52回・第53回・第54回・第55回・第56回・第57回・第58回・第59回・第60回
第61回・第62回・第63回・第64回・第65回・第66回・第67回・第68回・第69回・第70回
第71回・第72回・第73回・第74回・第75回・第76回・第77回・第78回・第79回・第80回
第81回・第82回・第83回・第84回・第85回・第86回・第87回・第88回・第89回・第90回
第91回・第92回・第93回・第94回・第95回・第96回・第97回・第98回・第99回・第100回
第101回・第102回・第103回・第104回・第105回・第106回・第107回・第108回・第109回・第110回
第111回・第112回・第113回・第114回・第115回・第116回・第117回・第118回・第119回・第120回
第121回・第122回・第123回・第124回・第125回
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僕と僕の母様 第128回
「行ってどうするの?」 不思議だ。
「どうするって その先は あんまり考えてないけど 取り合えず行きたい訳よ」 へぇー・・・。
「でもその先が 大事なんじゃない。 大学を卒業して その先に何をするかで 何処の大学へ行くか 決まってくるんじゃないの?」 さて 順平はそこのところを どう考えているのか 聞きたい。
「僕の成績で そんな悠長なことは 言ってられないから 僕の成績でも行けるところを 今必死にネットで 探してるんだよ。 とにかく 僕は大学に行きたい訳よ」 質問の答えには なっていないが まだ『仮』 も取れてない この順平がこんな事を言うなんて・・・。
そんなに 大学って行きたいものなのかなぁ。 僕は分からなくなってきた。
そしてその日は 順平と一緒に帰ることなく 一人で電車に乗った。
駅を降りて 自転車を押しながら 商店街を歩いていると 小綺麗な塾があった。
あ、そう言えば 確かここも個別の塾だったな。 ここなら 学校帰りに寄れるから そんなに面倒臭さは 感じない。
そう思い ガラスの扉の向こうを 覗いてみた。 誰もいない小さなスペースに 三人掛けくらいの ソファーが置いてある。 誰もいないならと思い そっと中に入ってみた。
辺りを見渡すと 細い階段があった。 この階段を上がって 二階でやっているのかと思い 端っこの方に目を移すと パンフレットらしきものがあった。
僕はそれを手に取り 誰も来ないうちに さっさとそこから出て行った。
前に止めてあった 自転車にまたがりながら そのパンフレットを さっと見てみたのだが とてつもなく月謝が高い。
普通いくら位なのかは知らないが 確か前に行ってた 個別の塾は そんなにしなかったと思う。 僕の感覚から言うと そんなにするの? といった感じだ。
家に帰って 母様にこのパンフレットを 見せたのだが 母様も「高ーい!」 の第一声だった。
「やっぱりね、高いよね」 僕の感覚は 合っていたようだ。
「高いわよ 前に行ってた所の 倍はするわよ」 そんなに違うのか。
「別にそこに行きたいって 言うんじゃないから 商店街で見つけたから 持って帰っただけだから」 取りに入るのに ちょっと勇気が入っただけだから。
「うーん、でも陵也が 行く気になったんなら 考えるけど・・・でも高い」 諦めてくれたかな。
「でしょ、やめよう やめよう」 そう言って 母様の手から そのパンフレットを取って ゴミ箱に捨てた。
それから何日かは 塾の話が出なかった。
その日もいつもの如く 何となく学校に行っていた。
何時間目の休み時間だったろうか 担任の先生に 渡さなければいけないプリントがあったので 職員室に入って その辺を見渡したが 先生がいない。
仕方がないかと思い 先生の机の上に プリントを置いて帰ろうと 中に入って行った。
すると若造が僕に気付き
「おまえー、腹立つなー」 怒ってる。
最後まで読んで頂きまして有難う御座います。
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「でもその先が 大事なんじゃない。 大学を卒業して その先に何をするかで 何処の大学へ行くか 決まってくるんじゃないの?」 さて 順平はそこのところを どう考えているのか 聞きたい。
「僕の成績で そんな悠長なことは 言ってられないから 僕の成績でも行けるところを 今必死にネットで 探してるんだよ。 とにかく 僕は大学に行きたい訳よ」 質問の答えには なっていないが まだ『仮』 も取れてない この順平がこんな事を言うなんて・・・。
そんなに 大学って行きたいものなのかなぁ。 僕は分からなくなってきた。
そしてその日は 順平と一緒に帰ることなく 一人で電車に乗った。
駅を降りて 自転車を押しながら 商店街を歩いていると 小綺麗な塾があった。
あ、そう言えば 確かここも個別の塾だったな。 ここなら 学校帰りに寄れるから そんなに面倒臭さは 感じない。
そう思い ガラスの扉の向こうを 覗いてみた。 誰もいない小さなスペースに 三人掛けくらいの ソファーが置いてある。 誰もいないならと思い そっと中に入ってみた。
辺りを見渡すと 細い階段があった。 この階段を上がって 二階でやっているのかと思い 端っこの方に目を移すと パンフレットらしきものがあった。
僕はそれを手に取り 誰も来ないうちに さっさとそこから出て行った。
前に止めてあった 自転車にまたがりながら そのパンフレットを さっと見てみたのだが とてつもなく月謝が高い。
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家に帰って 母様にこのパンフレットを 見せたのだが 母様も「高ーい!」 の第一声だった。
「やっぱりね、高いよね」 僕の感覚は 合っていたようだ。
「高いわよ 前に行ってた所の 倍はするわよ」 そんなに違うのか。
「別にそこに行きたいって 言うんじゃないから 商店街で見つけたから 持って帰っただけだから」 取りに入るのに ちょっと勇気が入っただけだから。
「うーん、でも陵也が 行く気になったんなら 考えるけど・・・でも高い」 諦めてくれたかな。
「でしょ、やめよう やめよう」 そう言って 母様の手から そのパンフレットを取って ゴミ箱に捨てた。
それから何日かは 塾の話が出なかった。
その日もいつもの如く 何となく学校に行っていた。
何時間目の休み時間だったろうか 担任の先生に 渡さなければいけないプリントがあったので 職員室に入って その辺を見渡したが 先生がいない。
仕方がないかと思い 先生の机の上に プリントを置いて帰ろうと 中に入って行った。
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「おまえー、腹立つなー」 怒ってる。
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