大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第128回

2011年07月15日 14時08分12秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第128回



「行ってどうするの?」 不思議だ。

「どうするって その先は あんまり考えてないけど 取り合えず行きたい訳よ」 へぇー・・・。

「でもその先が 大事なんじゃない。 大学を卒業して その先に何をするかで 何処の大学へ行くか 決まってくるんじゃないの?」 さて 順平はそこのところを どう考えているのか 聞きたい。

「僕の成績で そんな悠長なことは 言ってられないから 僕の成績でも行けるところを 今必死にネットで 探してるんだよ。 とにかく 僕は大学に行きたい訳よ」 質問の答えには なっていないが まだ『仮』 も取れてない この順平がこんな事を言うなんて・・・。

そんなに 大学って行きたいものなのかなぁ。 僕は分からなくなってきた。

そしてその日は 順平と一緒に帰ることなく 一人で電車に乗った。

駅を降りて 自転車を押しながら 商店街を歩いていると 小綺麗な塾があった。

あ、そう言えば 確かここも個別の塾だったな。 ここなら 学校帰りに寄れるから そんなに面倒臭さは 感じない。

そう思い ガラスの扉の向こうを 覗いてみた。 誰もいない小さなスペースに 三人掛けくらいの ソファーが置いてある。 誰もいないならと思い そっと中に入ってみた。

辺りを見渡すと 細い階段があった。 この階段を上がって 二階でやっているのかと思い 端っこの方に目を移すと パンフレットらしきものがあった。

僕はそれを手に取り 誰も来ないうちに さっさとそこから出て行った。

前に止めてあった 自転車にまたがりながら そのパンフレットを さっと見てみたのだが とてつもなく月謝が高い。

普通いくら位なのかは知らないが 確か前に行ってた 個別の塾は そんなにしなかったと思う。 僕の感覚から言うと そんなにするの? といった感じだ。

家に帰って 母様にこのパンフレットを 見せたのだが 母様も「高ーい!」 の第一声だった。

「やっぱりね、高いよね」 僕の感覚は 合っていたようだ。

「高いわよ 前に行ってた所の 倍はするわよ」 そんなに違うのか。

「別にそこに行きたいって 言うんじゃないから 商店街で見つけたから 持って帰っただけだから」 取りに入るのに ちょっと勇気が入っただけだから。

「うーん、でも陵也が 行く気になったんなら 考えるけど・・・でも高い」 諦めてくれたかな。

「でしょ、やめよう やめよう」 そう言って 母様の手から そのパンフレットを取って ゴミ箱に捨てた。

それから何日かは 塾の話が出なかった。



その日もいつもの如く 何となく学校に行っていた。

何時間目の休み時間だったろうか 担任の先生に 渡さなければいけないプリントがあったので 職員室に入って その辺を見渡したが 先生がいない。

仕方がないかと思い 先生の机の上に プリントを置いて帰ろうと 中に入って行った。

すると若造が僕に気付き

「おまえー、腹立つなー」 怒ってる。





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