大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第109回

2011年06月20日 13時56分05秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第109回



「取り合えず 今呼んだ順番に 並んでみようか」 そう言われて みんな昨日ほど笑うような 体制ではないけれど 少し腰が引けた状態で 二人組に並んだ。

今回のリフト乗り場は 昨日と比べて そんなに坂がきつくないので みんな簡単に上っていけた。

「いい? 何も怖くないから 普通に乗ってくれば いいからね」 そう僕達に声をかけて

「先に乗って行くから 気を付けて 乗って来るんだよ」 そう言って インストラクターさんが 一人で一番に乗っていった。

みんな 少し強ばった顔に なっている。

一番の二人が ストックを使いながら リフトに向かって歩いていく。

二人でリフトの前に立って「せーのー」 と言って リフトに座った。 大きくリフトが揺れた。 「うわっ」 っと一瞬声が出たが リフト番のおじさんに「大丈夫、大丈夫 上手く乗れたよ」 と言って貰ったのを聞いて ホッとしたように「次の二人頑張れよ」 なんて振り返りながら 大きく出た。

その次の組も 上手く乗れたようだ。 後は僕一人だ。 先にリフトに乗った二人組が 振り向きながら

「一人で大丈夫か」 なんて声をかけてくれたが 僕は一人がいい。

「おう」 と返事をして 僕はすんなりとリフトに乗った。

高いところから 下のゲレンデを見ていると みんな色んな格好で 転けていたり、雪合戦をしていたり、これは上級者グループなのだろうが 格好良く滑っている姿も見える。

僕もあんな風に 滑られたらいいのになぁ と思いながら どこまでも続く銀世界を 楽しんでいた。

そうしていると リフトも終わりに近づいてきたようで インストラクターさんが リフトを降りたところの 少し先に待っているのが見えた。

一組目の二人も ちょうどそこに滑ってきていた。 今回は転けずに 降りられたようだ。

僕の目の前を 二組目がリフトから 降りていく。 大きくリフトが揺れている。 こっちにまで 揺れが伝わってきた。

今度は僕が降りる準備を しなくてはいけない。 前の二人組の その先を見ている余裕はない。 僕は今回も上手くリフトを 降りられて みんなの方に向かって 滑り出そうとしたその途端、前の二人組が 僕の行く手を阻んでいた。

二人して 転けていたのだ。 僕の後ろのリフトに 誰も乗っていないのを 確認していたから その場で僕もストップをして 二人が立つのを待っていた。 下り坂の途中で立つには ちょっと上手くなったくらいでは 少々腕がついてこないようで 二人とも苦戦していた。

でも昨日とはやはり違う。 二人とも笑っているのだ。

「ごめん、ごめん」 僕にそう言って やっと立ち上がり インストラクターさんの方まで 二人とも滑って行った。

僕もその後を 少し間隔を開けてから 滑って行った。 また急に転ばれると 僕には避けきれないからである。

みんなで インストラクターさんの所に集合した。

「どう? 昨日と違って 今日はみんな調子良さそうだけど 勇気出して降りて行けそう?」

「はい、頑張れます。 っていうか、転けても楽しいです」 一人が言った。 

みんなも「そうそう」 と頷いてる。





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