大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第7回

2011年01月30日 20時52分20秒 | 小説
僕と僕の母様 第7回



「うっそー、まだ持ってたの?」 中には マシンガンみたいなのやら ランボーの言っていた 手榴弾。 ゴチャゴチャと入っている。

「当ったり前じゃん、今日は遠足だぜ」 その言葉の意味が分からない。

「って言っても コレみんなオモチャなんだけどね。 オモチャじゃなきゃ こんなに沢山持てないよ。 モデルガンって重いんだぜ。 それに やっぱり電車に 持って入る勇気は 無いしね 何よりも 一人で持って出ると 父さんに怒られちゃうからね。」 ランボー やっぱり君は 悪いことが出来ない人間だね。


「おい、何やってるんだ とっとと連いてこないか」 先生の声だ。 慌ててケースの蓋をして 二人でみんなの方に 走って行った。


「また見つかったら さっきの二の舞になるよ」 ほっとけばいいのに 僕は何故か そんなことを言った。 

「大丈夫今度は みんなも一緒だから 目立たない」 充分目立つって。 この団体自体が 目立っている中で 君は最高に目立ってるんだから。 

その後もずっと ランボーと一緒に 電車に乗っていたが、その間中 銃の話だった。 

何の事やら 僕はチンプンカンプンだったが 無視する訳にもいかない、返事だけしておいた。

そして 電車を乗り継いで 次は 路線バスに乗って移動だ。 

バスに乗っているのは 僕たちだけだ。 他に乗客は居ない。 そのせいか どんなに騒いでいても 先生は注意しない。

最初は車の行き来する 道路を走っていたが その内に 山の中に入っていった。

バスの中でも ランボーは 僕にずっと 銃の話をしていた。 

もうウンザリしかけていた僕は 適当に相槌を打っていた。 そんな話より この山の風景を 堪能したかった。



「おーい、全員 次で降りるぞ」 先生の声に みんなが反応した。

「うぉー! バーベキュー」 などと いっそう騒ぎ出した。

そして目的地に着いた。 

「入り口前停留所」 でバスを降りたが、そこの入り口に見覚えがない。 幼稚園の時も 小学校の時も こんな入り口じゃなかった。 

おかしいなと思い 案内板を見ると どうもバーベキューをするところは かなり山の中だから 一般に行楽として軽く遊ぶ所とは 入り口が違うようなのだ。

ということは 幼稚園児も小学生も いないということなのだろうか?

そう思いながら 入り口から かなり歩いて バーベキューをする所に着いた頃には もうお昼近い時間になっていた。

やはりここは かなり山の中なので 幼稚園児も小学生も いないようだ。



それぞれ班に分かれて 火をおこすのだが これが以外と難しいようだった。

僕はバーベキューなんて 経験がないから 何をどうして良いのか分からないし、体力がいりそうだったから 後ろの方に離れていた。

一時間ほどして ようやく炭に火が点きだしたようだが、火が点いたというだけで みんな大盛り上がりだ。

そして それぞれの材料を出してきて ジュージュー焼きだした。

「俺の肉取るな」 とか 「お前今落としたの また網の上に置いたろ」 とか食べるだけなのに 何を騒がなきゃあいけないんだ という感じだ。

僕は材料担当ではなかったので この時点でも 火には近寄らなかったし、この一ヶ月ほど前から お肉という物を 口にしないように 自分で決めていたから バーベキューといっても 食べるには野菜しかなかった。 

野菜だけ食べるのに わざわざうるさい中に 近寄る気も無かったから おやつ担当の僕は そのおやつを食べていた。

でもみんなのおやつだと思うと あまり沢山食べたら悪いと思い 家を出て駅に向かうまでに 買っていたガムを クチャクチャ噛んでいた。

母様がもっと 月々のお小遣いを アップしてくれたら ポテトチップスとか 腹持ちの良い物を買えるのに 僕のお小遣いは雀の涙だ。

遠足に行く前に 電車代と、少しのおやつ代といって 幾らか持たせてくれたが、そのおやつ代は 遠足の帰りお腹がすくだろうし 帰りにコンビニで 何か買おうと思って 使っていなかった。

それに何万円という お小遣いを貰ってる みんなと比べると いくらもない。

先生やクラスの連中も「肉食べろよ」 とかってお皿に 持ってきてくれるけど 僕は自分でお肉は当分食べない って決めた以上 それを守りたかったから 何としても 食べなかった。

ああ、お腹がすいた。 こんなにお腹がすくとは 思わなかった。

ポテトチップス買ったら良かった。 母様のせいだ。




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